yujiro1_R

1: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 18:58:41.796 ID:KEzR94Ji0
勇次郎「刃牙よ……」

刃牙「なに?」

勇次郎「異世界転生小説って知ってるか?」

刃牙「異世界……? ゴメン、ワカんない……」

勇次郎「一言でいや、現世で死んだヤツが異世界で活躍するって物語だ」

刃牙「へぇ~、面白そう」

2: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 18:59:09.434
期待

4: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 18:59:23.250
スレタイでちょっとニヤけた

11: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:03:29.973 ID:KEzR94Ji0
勇次郎「しかしながらこの分野(ジャンル)、大半を占めているのは――」

勇次郎「チートだの、ハーレムだの、己の願望を具現化したかの如き愚にもつかぬ駄文だという」

刃牙「相変わらず手厳しいね、オヤジは」

勇次郎「とはいえ、戯れに踏み込んでみる価値はある領域と考える」

勇次郎「そこで……だ」

刃牙「?」

勇次郎「俺も異世界転生小説とやらを執筆してみることにした」

刃牙「エ~~~~~~~~~~ッ!?」

13: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:04:42.064
オイオイオイ

15: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:05:37.626
転生しなくても俺ツエーできるやつに気持ちが分かるのか

16: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:05:54.809
面白くなる予感しかしない
支援

17: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:06:18.628 ID:KEzR94Ji0
刃牙(“範馬勇次郎”と“執筆”――)

刃牙(これほど似つかわしくないものがこの世にあるだろうか)

刃牙「どうやって書くの?」

勇次郎「もちろんパソコンでだ」

刃牙「オヤジ、パソコンなんて持ってたっけ?」

勇次郎「ストライダムのヤロウに、適当なのを見繕ってもらうことにする」

刃牙(キャプテン……今日もお疲れ様です)

19: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:07:27.908
そこは想像力でエアパソコン作り出せよ

20: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:08:15.367 ID:KEzR94Ji0
ストライダム「パソコン? お安い御用だが……」

勇次郎「よし……すぐ用意しろ」

ストライダム「しかしユージロー、パソコンなどなにに使うのだ?」

勇次郎「小説の執筆だ」

ストライダム「What!?」

21: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:09:22.657
キーボード破壊しそう

22: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:10:14.919
寧ろ滑らかなタッチタイピングで刃牙が度肝抜くパターン

23: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:11:16.853 ID:KEzR94Ji0
カタカタカタ…

勇次郎「……」

ストライダム(Oh……見事なタイピングだ)

ストライダム(いったいどんな小説を……)

勇次郎「ストライダム、覗き見はマナー違反だぜ」ギンッ

ストライダム「ソ、ソーリー……」

ストライダム「ちなみに君の小説、読者第一号は誰に……?」

勇次郎「そうだな……やはり刃牙だろう」

ストライダム(刃牙……いつもいつも大変だな)

25: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:15:00.827 ID:KEzR94Ji0
勇次郎「完成(でき)たぞ」

刃牙「できたの!? てか、ホントに書いてたの!?」

勇次郎「当たり前だろう」

勇次郎「書いたやつを印刷して、雑にではあるが一冊の本のようにしてみた」

勇次郎「読んでみろ」

刃牙「ウ、ウン……」

刃牙(オヤジの書いた異世界転生小説……一体どうなってしまうんだ!?)

28: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:19:16.540 ID:KEzR94Ji0
舞台は大帝国が支配する、古い西欧風のファンタジー世界。

転生した≪主人公≫は、片田舎である母親の一人息子として生を受ける。



刃牙「アレ……? 思ったよりマトモじゃん」

刃牙「文章も読みやすくて引き込まれるし、これ案外イケるんじゃない?」

勇次郎「おだてるんじゃねェ」

刃牙(きっとこの≪主人公≫が、大帝国を倒すハナシになるのかな……)

30: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:22:35.877 ID:KEzR94Ji0
≪主人公≫は生後間もなく、母親に授乳を強要。

産まれた時にはすでに歯が生えていた。

母親はこの屈辱に耐えられず、我が子の元を去る。

この日、この異世界の全生物の強さのランクが自動的に一つ下がった。



刃牙「~~~~~~~~~~~ッッッ!!!」

勇次郎「どうした?」

刃牙「イヤ……なんでもない」

刃牙(オヤジィ……いきなり飛ばしすぎだっつーの!)

35: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:25:16.978
ただの自伝で草

36: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:26:00.365 ID:KEzR94Ji0
≪主人公≫にとって戦場は遊園地も同然であった。

多くの敵を屠ったその背中には、いつしか“龍(ドラゴン)”が宿っていた。



刃牙「鬼(オーガ)は龍(ドラゴン)に変えてきたんだ」

勇次郎「まァな。そっちの方が読者ウケがいいンじゃねぇかと判断した」

刃牙(ちゃんと研究してらっしゃる……)

39: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:29:33.296 ID:KEzR94Ji0
大帝国は≪主人公≫を恐れ、≪主人公≫と友好条約を結ぶ。

歴代皇帝は着任時、≪主人公≫へ宣誓することが義務となるのだった。



刃牙「早ッ!」

勇次郎「なにがだ?」

刃牙「まだ20ページぐらいなのに、もう大帝国が敗けちゃったじゃんッ!」

勇次郎「どうでもいいところは省略(はしょ)るのが主義だ」

刃牙「主人公が大帝国を倒す物語だと思ってたのに……」

40: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:32:41.737
ほぼ自伝でワロタ

41: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:33:50.132 ID:KEzR94Ji0
≪主人公≫は矢を放たれる前にキャッチした。

≪主人公≫は巨大な象を屠った。

≪主人公≫は雷に打たれたが、そのまま散歩を続けた。

≪主人公≫は拳で地震を止めた。



刃牙「……」

刃牙「スゴイね……この主人公」

勇次郎「別に大したことはねェだろ」

刃牙(イヤイヤイヤ……アンタの基準じゃフツーなのかもしれないけどさ……)

43: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:38:14.162 ID:KEzR94Ji0
やがて、≪主人公≫にも≪息子≫ができた。

≪主人公≫は≪息子≫を鍛え上げた。

≪息子≫は≪主人公≫の血を色濃く受け継いでおり、瞬く間に格闘技の王者になった。



刃牙「これ、もしかして――」

勇次郎「うむ、お前がモデルだ」

刃牙「やっぱり……」

刃牙(この息子、やたら強く書かれてるけど、嬉しいやら恥ずかしいやら……)

45: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:40:27.126 ID:KEzR94Ji0
≪主人公≫は、虎より強い達人に勝ったり、100年以上生きる妖怪ジジイと戦ったり、

力自慢の怪人と力比べして圧倒したり、古代人や二刀流の剣士と出会ったりした。



刃牙「多少アレンジされてるけど、だいたいどの人かワカる!」

勇次郎「アイツらも、俺の小説に出られて光栄だろうぜ」

47: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:45:29.717 ID:KEzR94Ji0
≪主人公≫と≪息子≫は激しい闘いを繰り広げる。

最終的に≪主人公≫は≪息子≫に手作りのスープを飲ませ、「ウマい」と褒められた。





刃牙「読み終わった……けど」

刃牙「これほとんど実話じゃんッッッ!」

勇次郎「リアリティを追求するなら、実体験を土台にするのが当然だろう」

勇次郎「俺の小説は妄想を書き殴っただけのそこらの有象無象とはワケがちげェんだ」

刃牙「そうかい……。だけど、一つだけ事実と違うところがあるね」

勇次郎「なんだ?」

刃牙「オヤジの味噌汁は少ししょっぱい」

勇次郎「イヤミかキサマッッッ!!!」

49: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:49:34.231 ID:KEzR94Ji0
刃牙「だけど面白かったよ!」

勇次郎「……そうか」

刃牙(心なしかホッとしてたような……この人にもホッとするなんてことがあるのか)

刃牙「じゃあ、この小説を本格的に書籍に――」

勇次郎「うむ、アニメ化する」

刃牙「はい?」

刃牙「あの……普通は、小説のアニメ化って、まず小説を本として売り出して」

刃牙「人気が出たら、アニメ化するって流れだと思うンだけど……」

勇次郎「不要だ」

刃牙「へ」

勇次郎「いきなりアニメ化するッッッ!!!」

刃牙「~~~~~~~~~~ッッッ!!!」

50: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:50:48.119
流石オーガ…

54: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:53:40.779 ID:KEzR94Ji0
大手アニメ制作会社代表取締役社長、本山耕介氏(53)はこう語っている。

「ええ……いきなりでしたね」

「いきなり部屋に乗り込んできて、原稿を机に叩きつけ――」

「“これをアニメ化しろ”」

「“失敗は許さねェ”」

「ええ、この二言だけでした」

「断る? ムリムリムリムリムリ」

「次の瞬間、私の知る限りの凄腕のアニメーター達に片っ端から電話かけてましたわ」

57: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:56:46.849 ID:KEzR94Ji0
刃牙「いよいよ今日が、アニメ第一話の放映日だね」

勇次郎「うむ」

刃牙「どんなアニメになってるか楽しみだなァ」

勇次郎「所詮アニメなど絵に音と動きがついただけのシロモノ……大の大人が見るもんじゃねェがな」

刃牙(そのわりに口元が緩んでるよ……オヤジ)

刃牙「お、開始(はじ)まった!」

勇次郎「……」ギンッ

59: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 19:59:29.354 ID:KEzR94Ji0
……

刃牙「……ウン、よかったよ!」

刃牙「俺アニメってあまり見たことないけど、キャラクターがぬるぬる動いてたし」

刃牙「声優の演技や演出もすごくよくて、オヤジの原作にも忠実だったもん!」

勇次郎「フン……思ったよりは上等な出来だったといえるだろう」

勇次郎「とにかくこれで、昨今のおよそ現実味のない異世界小説に一石を投じれたのは間違いねぇ」

勇次郎「さっそくネット上で感想を見てみるか」

刃牙「ア……それはやめた方が……」

勇次郎「どれ……」

60: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 20:00:45.273
ああ~

61: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 20:02:33.867 ID:KEzR94Ji0
『作画や演出は最高だったのにシナリオが荒唐無稽』

『チート主人公大好きだけど流石にこれはやりすぎ』

『主人公強すぎてつまんねwwwwwwwwww』

『妄想もここまでいくと逆に尊敬する』

『リアリティなさすぎだろ……一話切り余裕でした』


勇次郎「殺゛し゛て゛や゛る゛~!!!」

刃牙「ヤッパリね……」







― 完 ―

63: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 20:05:49.430

面白かった

66: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 20:07:27.193
乙ッッッ!!

69: 名無しの読者さん 2019/02/05(火) 20:12:46.412
これ公式が漫画化したら売れそうw

出典:http://hebi.5ch.net/test/read.cgi/news4vip/1549360721/

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完成たぞで草



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