小説の文字数を増やす技術

ぼくも高校生の時に壮大なファンタジーとかを空想していて、いざ書き出してみるとプロローグとかやたら壮大なのにぜんぜん続かなくて3ページくらいで終わった経験があります。そのあと、小説の新人賞に応募しようとしたんですよ。そうすると、だいたい新人賞って400字詰め原稿用紙300枚くらい必要じゃないですか。ぜんぜん書けませんよね。

だから、最初のころは掌編小説——5枚くらいのコンテストに送ったりしてました。そこから次に30、100、300と伸ばしていった記憶があります。

ちなみにネットは文字数換算で数える人が多いですが、なぜか出版関係は400字詰め原稿用紙換算です。

掌編 2千字=5枚程度
短編 5千字=12〜20枚前後
短編 1万字=25〜35枚前後
中編 4万字=100〜150枚前後
長編 8万字=200〜300枚前後

というのが目安でしょうか。

 

文字数を増やす技術

単純に文字数を増やす技術はあります。調べればいっぱいでてきますが、ひとまず基本的な話をしましょう。

ほとんどの小説は大雑把にわけると2つの文章で出来ています。すなわち「会話」とそれ以外の「地の文」です。

文字数を増やしたいならこの両方を増やせばいいわけですが、地の文の描写を濃くするほうが全体のバランスが崩れなくていいと思います。

地の文の情景描写の基本は、

カメラ位置(対象物に寄ったり引いたり)+五感(香り、味、感触、色、音)+α(記憶とか独白とか、あるいは風景にまつわるエピソード)

で書くことです。例えば、

ぼくは喫茶店で店員がもってきたレモネードを飲んでいた。

という文章を長くしてみましょう。

テーブルにグラスを叩きつける激しい音とともに、黒いエプロンをつけた黒髪の男性店員が丸テーブルの中央にレモネードを置いた。驚いて顔を上げると、店員は驚くべきことに言葉を発することなくオーラで「すいません、ここ禁煙席です」と語っていた。ぼくは慌てて手にしたタバコを携帯灰皿に仕舞って嘘くさい咳払いをしつつ、店員が去るあいだ、ごまかすように円筒形のグラスを見つめた。グラスのなかには5:5の割合でレモネードと氷がつまっており、水面には輪切りレモンが3枚とさくらんぼが浮かべられている。氷が多い。これはもはやレモネードというか氷レモネードではないかと突っ込みたくなるが昨今の飲食店の苦境を思えば致し方あるまい。テーブルのわきから水色のストライプ模様のストローを引き抜いてレモネードに突き刺し、底に沈殿しているシロップをかき混ぜると、氷がカラカラと鳴って水滴がテーブルに水たまりを作る。ぼくはゆっくりとレモネードを口に含むと、顔を右側に傾けてゆっくりと飲み込んだ。つい先週、左の親知らずを抜いたせいか、左の歯に冷たいものがあたると地獄のような激痛が走るのでどうしてもこのような奇妙な飲み方になってしまう。どうしてレモネードを頼んでしまったのか。暖かい紅茶とかにすれば良かった。いや、そもそも親知らずを抜くという行為を後悔していた。親知らずを抜いたせいで二週間ほどロキソニンを飲み続けなくては眠れない。ロキソニンの飲み過ぎで胃が痛い。穴開いてるんじゃないかな。吐きそうだ。なんでレモネード頼んだんだろう。半分ほど飲んだところでストローを口から離し、天井を仰ぐと飛行機のプロペラみたいな大きさの黒いサーキュレーターが回転していた。とにかくぼくはレモネードを飲んだ。

良し悪しは置いといて、今いる喫茶店で頼んだレモネードの描写だけで20字ちょいが600字ちょいになりました。30倍です。
細部のディティールを細かくして解像度の高い文章を書けば必然的に文字は増えますし、なんとなく小説っぽくなっていきます。
この方向で描写したいなら、海外文学などを参考にすると良いと思います(オススメはスティーヴン・ミルハウザーの短編)。

出典:monokaki

※続きにとても大事なことが書いてあるので、ぜひ元記事をご覧ください。

 

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後々無意味な水増しをしないで済むように、どのシーンで何文字程度書き込むか、プロットの段階でおおまかに割り振っておくのも手だと思います。

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