小説の文字数を増やす技術
【新着】生き延びるためのめろんそーだん vol.2
Q. 思うように文字数が増やせません「長編が浮かんだつもりでも、書いてみると1万字しかない」「公募用に8万字以上書きたいのに、文字数の増やし方がわからない」そんな悩みを持ったことはありませんか?https://t.co/SdUYH1sUXk
— monokaki (@monokaki_jp) June 17, 2019
ぼくも高校生の時に壮大なファンタジーとかを空想していて、いざ書き出してみるとプロローグとかやたら壮大なのにぜんぜん続かなくて3ページくらいで終わった経験があります。そのあと、小説の新人賞に応募しようとしたんですよ。そうすると、だいたい新人賞って400字詰め原稿用紙300枚くらい必要じゃないですか。ぜんぜん書けませんよね。
だから、最初のころは掌編小説——5枚くらいのコンテストに送ったりしてました。そこから次に30、100、300と伸ばしていった記憶があります。
ちなみにネットは文字数換算で数える人が多いですが、なぜか出版関係は400字詰め原稿用紙換算です。
掌編 2千字=5枚程度
短編 5千字=12〜20枚前後
短編 1万字=25〜35枚前後
中編 4万字=100〜150枚前後
長編 8万字=200〜300枚前後というのが目安でしょうか。
文字数を増やす技術
単純に文字数を増やす技術はあります。調べればいっぱいでてきますが、ひとまず基本的な話をしましょう。
ほとんどの小説は大雑把にわけると2つの文章で出来ています。すなわち「会話」とそれ以外の「地の文」です。
文字数を増やしたいならこの両方を増やせばいいわけですが、地の文の描写を濃くするほうが全体のバランスが崩れなくていいと思います。
地の文の情景描写の基本は、
カメラ位置(対象物に寄ったり引いたり)+五感(香り、味、感触、色、音)+α(記憶とか独白とか、あるいは風景にまつわるエピソード)
で書くことです。例えば、
ぼくは喫茶店で店員がもってきたレモネードを飲んでいた。
という文章を長くしてみましょう。
テーブルにグラスを叩きつける激しい音とともに、黒いエプロンをつけた黒髪の男性店員が丸テーブルの中央にレモネードを置いた。驚いて顔を上げると、店員は驚くべきことに言葉を発することなくオーラで「すいません、ここ禁煙席です」と語っていた。ぼくは慌てて手にしたタバコを携帯灰皿に仕舞って嘘くさい咳払いをしつつ、店員が去るあいだ、ごまかすように円筒形のグラスを見つめた。グラスのなかには5:5の割合でレモネードと氷がつまっており、水面には輪切りレモンが3枚とさくらんぼが浮かべられている。氷が多い。これはもはやレモネードというか氷レモネードではないかと突っ込みたくなるが昨今の飲食店の苦境を思えば致し方あるまい。テーブルのわきから水色のストライプ模様のストローを引き抜いてレモネードに突き刺し、底に沈殿しているシロップをかき混ぜると、氷がカラカラと鳴って水滴がテーブルに水たまりを作る。ぼくはゆっくりとレモネードを口に含むと、顔を右側に傾けてゆっくりと飲み込んだ。つい先週、左の親知らずを抜いたせいか、左の歯に冷たいものがあたると地獄のような激痛が走るのでどうしてもこのような奇妙な飲み方になってしまう。どうしてレモネードを頼んでしまったのか。暖かい紅茶とかにすれば良かった。いや、そもそも親知らずを抜くという行為を後悔していた。親知らずを抜いたせいで二週間ほどロキソニンを飲み続けなくては眠れない。ロキソニンの飲み過ぎで胃が痛い。穴開いてるんじゃないかな。吐きそうだ。なんでレモネード頼んだんだろう。半分ほど飲んだところでストローを口から離し、天井を仰ぐと飛行機のプロペラみたいな大きさの黒いサーキュレーターが回転していた。とにかくぼくはレモネードを飲んだ。
良し悪しは置いといて、今いる喫茶店で頼んだレモネードの描写だけで20字ちょいが600字ちょいになりました。30倍です。
細部のディティールを細かくして解像度の高い文章を書けば必然的に文字は増えますし、なんとなく小説っぽくなっていきます。
この方向で描写したいなら、海外文学などを参考にすると良いと思います(オススメはスティーヴン・ミルハウザーの短編)。出典:monokaki
※続きにとても大事なことが書いてあるので、ぜひ元記事をご覧ください。
Twitterでの反応
描写の例文を読んで、ディティールを埋めれば埋めるほど「登場人物の人となり」「伏線」「暗喩」などなどが豊かになっていくなと思った。それらが必要かどうかは、もちろん作品によるけど。
Q. 思うように文字数が増やせません https://t.co/CKgwciymlD
— あとーす (@ATOHSaaa) June 18, 2019
とても参考になる講座。
私の場合、何も考えないと10000文字弱で書き終わってしまうから、添削と全体の起承転結はじっくり考えて筆を取るようにしてます。Q. 思うように文字数が増やせません https://t.co/Ew24ktO5QV
— RANA (@Planet_Rana) June 19, 2019
募集要項のために文字数を増やすのはナンセンス。他の人が原稿用紙100枚を使って書く内容を1枚で書けるならそれこそ才能ですよ。
Q. 思うように文字数が増やせません https://t.co/oBZTu7arsk
— もぐさ (@TW_mgs) June 18, 2019
文字数が足らない場合、解像度が低いもそうですが、単純にエピソード不足ではないかと。書くことがなければ文字は増えませんし。ムダ会話を増やしたり、意味もなく描写の解像度を上げるのはクオリティが下がるのでオススメできないかな。
Q. 思うように文字数が増やせません https://t.co/0w50RdVDLN— 東雲飛鶴⋈グリフォンBOOKS公式★茅ヶ崎・氷ノ山神社~神様と許嫁な私と幽霊と~ (@grifonbooks) June 18, 2019
Webメディアの記事は「短くしなきゃ」って思うけど、Web小説は「長くしなきゃ」という逆の力が働いてるのかな。でも、本質は同じかもしれない。
Q. 思うように文字数が増やせません 生き延びるためのめろんそーだん : コラム | monokaki https://t.co/k2jviW22Xw
— 中野 慧 (ケイ) (@yutorination) June 19, 2019
後々無意味な水増しをしないで済むように、どのシーンで何文字程度書き込むか、プロットの段階でおおまかに割り振っておくのも手だと思います。
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ディスカッション
コメント一覧
レモネードのくだり、ただただ水増ししてるだけでうんこ。こんな水増し読み飛ばす。
実のある内容で長編を求めているのであって、とりあえず文字数があればいいという話ではない。
これだから文章に凝ることしか考えないばかは…。
長編書けるほどネタがないなら、ネタを集めるか、素直に短編、中編を書けと。
元記事で全く同じこと言ってるのに、読んでないのバレバレで草
元記事と上のコメントの文字数比べてみ。
ちゃんと記事を読んだなら、そっから読み取れることがあったはずやろ?
長く書けばいいんじゃないんやで?。ちゃんと読んでないから、皮肉が読み取れないんよ。
ちなみに、この記事タイトルは、わなびー向けの誘蛾燈やで恐らく。釣られた人挙手!!
これ、続きの方が大切で本題やん。
せっかく管理人が注意書きしといてくれたのにお前…
足を引っ張るような糞スキルを紹介するのやめてください。
やるなら、糞スキルが実はチートみたいなノリで、有用性でも説いてください。
それでも物書きか…(あ、ちがったか
「削る技術」の方が桁外れに重要な気がする。
小説に限らず、漫然と増やすのは簡単。
中身がない記事を書く記者も増えてる現実。
Yahoo!記事もこの手が増えて困惑。
読んだ時間返して!
小松左京さんが自身の『日本沈没』について
「星(新一)さんなら、の一行で済ます」
と言っていたのを思い出した。
向きは逆転しているけど。
あほか
物語に直接関係ない描写は削らないと読みづらいだけだ
下手くそほど、どうでもいいところでバカみたいに修飾したりするけど
そういうモノ書きって大体、伏線とか布石とか使えない。
流れに関係ない無駄なエピソードが、実は後々の重要ファクターみたいな作り方してたら、どう削るかで頭痛いぞ。
『物の譬』ってことを知ればいいんじゃないんですかねぇ……
普段から短編書き溜めてると継ぎ接ぎで何とかなったりするで。
逆に長編書いてる途中で脇役に流れたり話の収拾つかなくなったらエピソードばらして短編集にする。
「大作書かないといけない病」の経験から編み出した。
小説のユニット工法やな。
逆に短くする方法論を知りたい
例文みたいな水増し文章大っ嫌いだからあんなことしないように普段から意識してて、必要なことを必要な分量だけで書こうとしてるのに、気が付くと長くなってしまう
もういっそ長くなんのは仕方なしとして、長いとこで言葉遊びとかでもしたら?
クッソ長い文章があるとする。
で、その文章から理解できる情報を箇条書きで書き出していく。
例を出すと
・ツンデレである
・クールビューティーである
・指が長い
・ツインテール
・ちっぱい
という情報が取り出せたとしよう。
最低限、これが伝わればいいという条件で
可能なかぎり短くなるように書き直す。
これをしても文章が長い、となった場合は先ほどの箇条書きから
情報を削除する。
残った箇条書きの情報から文章を作れば、削った情報は丸ごと無くなっているから
嫌でも文章が短くなるはずだ。
もちろん、このときに削ってもいいという明確な判断があればなおよし。
例えば
「この文章の前にツンデレを表すセリフがあるから、ツンデレを削除で」
「男に抱き着くシーンがあるから、ちっぱいは削除で」
といった感じだ。
ラノベの文章で例えてみたけど、ある程度はほかでも使えると思う。
素朴な疑問
なんでそこまでしておいて実際に例文を書かないの?実例があった方がより伝わるよ?
言い方が悪くなってすまないがこういった場合ただ説明してるだけじゃ口だけになってしまい説得力は生まれないからね
純粋に長文作るのが疲れると言うだけだよ。
長文なの?どれだけ短い文章に出来るかって話だったよね?
しゃーない。やってみるか。
ぶっちゃっけ、感覚だからうまく伝わるかわからんし、納得いくかもわからん。
いい例文ではないと思うので、そこはよろしく。
【例文】
「私は至高の天才作家で誰もが孤高の天才であると褒めたたえられる。その称賛は絶頂せざるを得ないため、ナルシーな性分を助長させるのであるがそれは仕方がない。私は天才作家なのだ」
【例文から情報を抜き出す】
・私は至高の天才作家
・誰もが孤高の天才と褒めたたえる
・称賛されて絶頂してまうので、ナルシーな性分が助長されてます
とりあえずこんな感じにする。
ここから、必要な情報や使いたい情報を絞る、あるいは作り替える。
それで改めて書き出す。
【書きたい情報の箇条書き】
・私は至高の天才作家である
・ナルシーである
【例文2】
「私はナルシーな至高の天才作家である」
こんな感じ。
なるほどね言いたいことは伝わったよ
細かくてすまん
例文の受動態と能動態がムチャクチャちゃうか?
「私は至高の天才作家で、誰もが孤高の天才であると(褒めたたえる)。その(絶頂せざるを得ない称賛が)、ナルシーな性分を助長させるのであるがそれは仕方がない。私は天才作家なのだ」
にならんか?
(褒めたたえられる)なら(誰からも)かな
伝えたい趣旨から離れて申し訳ない
ほんまやミスってるわ。
指摘サンクス。
即興で悪文的な長文を書くとこれだから……
ああ、そうそう、あくまで上のやり方は
いい文章を書くための削り方というわけではなく、
単に文章を削りたいときに使う手法だから気をつけてね。
情報はエピソードでってやつか
羅列よりずっとええし最終的に長く書けそう
まあ少なくともなろう小説にはいらん技術だな
どれだけシンプルな文章でエピソードを増やせるかが勝負
続きにとても大事なことが書いてあるらしいが、見たかい!?
結構たすかる。
今度賞に出す時参考にするわ
始めから読み直して情景と登場人物の心情描写を加えてみる
最初のプロットでページが足りないなら、テーマに沿ったエピソードなど付け加える
推敲に時間をかければ何とか形になるはず
付け足すんなら、その場のリズムで書かないといけない。
書き終わった後に無理やり足すから、リズムが崩れていて読みにくくなる。なろうの背伸びしてんなって文とか大体そう。
その場のリズムで書いてないから、流れるように読める文章じゃなくなる。
どのくらいのボリュームのプロットやアウトラインから長編が産まれるのか?という大枠での問題点や課題を分析するのが筋じゃない?
表現の話に終始すんのばからしいよ。
そもそも文字数が足りんって着眼点がヤバイ。とりあえずの思い付きで書いとる香りがムンムン。
>> 長く書くというのは、あなたの長編を魅力的にするための「手段」にすぎないのです。
ちがう。
より良くするために何かしらした結果として、長く「なる」ことはある。
長く「する」 = 魅力的にする ではない。
叩き台としては優秀な記事(※叩き台というのはアンチ対象という意味ではありません)
※商業的な目的で、ドラゴボみたいに引き伸ばす件についてはまた別。また、同様に上手く引き伸ばせば魅力的になるケースもあるがそれは長くするとはいわない。
揚げ足取りの言葉遊びになってるぞ
お前の言う「面白くしようとした結果として長くなる」は「面白くするために長くした」と実質的に同義だからわざわざ言い立てる価値のある意見じゃないし、「長くする=魅力的にする」という意味で受け取っている辺り、「手段」という言葉の意味も理解できていない
「するための手段である」というのは「するために使えるもの」「するために使うべきもの」「するため以外に使えないもの」「するため以外に使うべきでないもの」という意味であって、「するためのもの」や「するもの」という意味じゃない
実際どんくらい文字数割り振るかって難しいよね……
参考にしたい小説の目次や内容から簡易のプロットやアウトラインを逆作成すれば、ある程度の参考になる数値が求められるんじゃない? あくまで参考だけど。
いやこれ、文字数減らすまでの段階に来てない人たちのための講座やろ
書きはじめの頃って比喩表現も何を書いたらいいのかもわからんし
宮沢賢治なら「泡」とか「星」だけで本出せるレベルだしなぁ
本筋と関係ないけど読むのやめさせない比喩表現って逆に難しいような気がするわ
地の文で独白入れると文字数が増えすぎて削る作業になる
脚本のように書くと文字数が足りなさすぎるし会話文だらけに
バランスが難しい
栗本薫を読むといい、
彼女の小説は何と言うか、もちろんそれは彼女の技術の現れであるし、それを味わいと捉えるファンは少なからずいるのもまた確かなのだろうけれど、とにかく一つの文章を水増しする技術はもう、卓抜というより他ないのである。
しかしミステリーとかは正直なところ、誰が見てもそう思うとは限らないけれど、やっつけ仕事のように感じる向きだってあるだろう、だからファンタジーやSFなどを読むほうが良いと私は考える。文章の旨さ故に栗本薫は短編の名手でもあるから短編集でもいいが、特にグインサーガのあの重厚というか、口八丁というか、到れるつくせりというか、古今美麗調のあの会話劇に私なんかは圧倒されて、読後感を十分に堪能できるのである。
文字数を自然と増やせるようにしたいというのは、案件を受けて記事を書いて金を貰う人間の願望であり、
小説家目指すなら他の事を修練したほうがいい。
もうステータス書いておこう
文字数を増やしたいなんて人間存在するんだな
普通逆だろ
記事の例題の「私はレモネードを飲んでいた」ならふんふんって軽く読めるが、下の長文は目が滑って見る気も起きないわw
長文=悪文みたいな捉え方してない?記事の例文が名文とは言わないあれはやり方を示してるだけでしょ
短文=名文みたな捉え方してるけどそれって単にスカスカの文章が好みなだけでしょ
洗練された文章を書かなければと言っている様には見えない
「文字が多すぎて読めないし、内容を理解できない。稚拙な文章じゃないと読めない」って言ってるようにしか見えんのだが・・・
もっとなろうの上位作品見習ったら?稚拙な文しか読めない人が増えてる事実があるんだよ
小説としては稚拙な文章は良くないんだけどね
例えば?
追加
それってあくまでもなろう限定の話じゃない
この記事元は小説としての話でしょ
小説を書きたい人は稚拙な文章を書きたいとは思わない(もちろん俺も)
それって結局なろうで安易に読まれたいが為に書いていると言ってるも同義
小説はなろうだけじゃないんだよ
web小説に限らずエンタメ系は簡潔な文章の方が受けるし水増しするならシーン増やす方が良いわな
仮に目標が8万~10万字で40シーン書いていて6万字程度なら装飾過多の文章にするよりはキャラクター増やして掘り下げたり物語の転換増やして50~60シーンにする方がよい
群像劇にすればシーン数増やすパターンは違和感なくできたりするし
ただし群像劇にするとキャラクターや時系列の管理が面倒臭くなるという別の問題は発生するが
東野圭吾の短編を思い出した。
書きたいことありすぎて長くなる人の方が好きだ
プロでも書くことなさすぎて無理やりひねり出したみたいなのがあって
そういうのって読んでても分かるから嫌な感じになる
作者しか分かってないことを既成事実のように出す人よりは、しつこいほど描写する人の方がマシだと思う。
設定考えるのだけ好きな人にありがちな気がするが。
ちなみに続きの記事は読んでない。
続きを要約すると
「文字数を増やしたいなら無駄に水増ししなくても文章が長くなるようにプロットをイチから練り直したほうがいい」
小説に限らず原稿書くときのプロセスって、①ページ数の設定→②文字数換算→③プロット作成→④文字数割り振り→⑤執筆→⑥余剰分の文字を削って調整 って流れなんだけど、文字数を増やす目的の調整って時点で①から④が破綻してるんだよな。記事にあるようなやり方なんて版面調整以外でやることないし、プロットに含めてないことで無理やり文字数増して帳尻合わせるなんて無謀もいいとこ