青少年読書感想文全国コンクール、なんで電子書籍は対象外なの?

 

「電子書籍は変更が可能な為」だそうです。

 

読書感想文で、電子書籍がNGなのはなぜ?

インターネットの普及に伴い、読書のあり方は大きく変化しています。青空文庫を使えば、いつでも無料で過去の名作に触れることができますし、Kindleなどを利用すれば、膨大な電子書籍を持ち歩くことが可能です。

しかし、「青少年読書感想文全国コンクール」では「(応募できるのは)紙媒体での書籍に限ります」と禁止。同じ作品でも紙媒体はOK、電子書籍はNGと分けられているんだそうです。いったい、どうしてなんです?

事務局に話を伺ったところ、これは「感想文が本の内容に沿っているか、引用が適切に行われているかなどを確認」するためとのこと。審査を行う際には本の記載内容にズレが無いように、応募者と同じものを用意することになっており、刊行元である出版社はもちろん、なるべく版までそろえているそうです。読書感想文って、そんなにしっかりチェックされてたのか……!

しかし、これは以前から採用されている方法で、一度印刷すると修正が効かない紙媒体を使用することが前提です。反対に、インターネット上で配信される作品はデータ化されているため、簡単に書き換えることが可能。ミスがあってもすぐに修正できる点は便利なのですが、読書感想文の審査を行なう場合にはかえってデメリットになってしまいます。

たとえば、作品内容の変更により、応募者と同じバージョンを読むのが難しくなったり、更新履歴が明記されていないなどの原因から、そもそも内容変更があったのかどうか自体が確認できなかったりといったトラブルが発生する可能性も。電子書籍、ネット上の作品をすべて禁止するのには、こういった事態を回避して、読書感想文の審査ができる環境を守る意味合いがあるわけですね。

ちなみに、時代に合わせて応募要項を改変することも検討されており、将来的には対象となる作品形式が拡大される可能性もあるそう。ただ、現時点では「『電車男』(2ちゃんねるの書き込みを書籍化した小説)はいいのに、青空文庫で芥川龍之介や太宰治の作品を読んで書いた場合はダメ」というちょっと不思議な状態になっています。

せっかくの機会なので、青少年読書感想文全国コンクール事務局に

・読書感想文は漫画で書いてもいいの?
・読んだ本がつまらなかったときは、どうしたらいい?
・課題図書はどうやって決まるの?
なども質問してみました。

読書感想文は漫画や図鑑、辞典で書いてもいいの?

先に答えを言ってしまうと、地域によっては漫画や図鑑、辞典で書いても問題ないとのこと。「読書=たくさんの文章を読む」というイメージからは外れますが、写真集も禁止されていません。

そもそも読書感想文には2部門あり、「課題読書」部門は指定の本以外だと応募できませんが、「自由読書」部門は比較的ゆるいルールになっています。雑誌、パンフレット類、読書会用テキスト類などは対象外とされているものの、本の内容にまで踏み込んだ条件はほとんど掲げられていません。実際、図鑑や辞典をテーマにしたものが、都道府県の代表に選ばれた事例もあるといいます。

ただし、読書感想文の審査は、学校、市区町村、都道府県、全国と段階的に行われる仕組みになっており、それぞれの地域で独自の決まりが設けられていることも。そのため、「全国ルールではOKでも、その前に審査を行うローカルルールでNG」というケースも存在します。あえて変わったジャンルの本でチャレンジしたい方は、先に学校の先生などに確認を取ったほうがいいかもしれません。

ちなみに、「自由読書」部門には、テーマにする作品の文字数に関する規定も設けられておらず、極論を言えば、星新一に代表されるショートショート作品(特に短い小説)でもいいことになっています。しかし、「青少年読書感想文全国コンクール」が読書振興を目的とした企画であることから、事務局は「ある程度の分量の本をじっくり読んでほしいという気持ちがある」としていました。

課題図書はどうやって決まるの?

今度は「自由読書」ではなく、「課題読書」の話。同部門では、応募できる本が事前に課題図書として指定されており、そこから選択する形になります。

この課題図書はどうやって選定されているのか尋ねると、「学校で読書指導にあたられている経験豊富な先生や、子どもの本の専門家などに選定委員になっていただいている」と事務局。さらに、明文化された「課題図書選定基準」に即して、前年に刊行された本の中から決定されるそうです。

なお、「課題図書選定基準」では、本の内容が学生の年齢に合っていることなどに加え、「市販されており、通常の方法で入手可能なものであること」「増刷が可能なものであること」と、入手しやすさについても言及されています。あらためて考えてみると、課題図書に選ばれた本は売上が急増するはずなのに、「どこにも売ってなくて困った」という悩みを聞いたことがないような……?

読んだ本がつまらなかったときは、どうしたらいい?

「青少年読書感想文全国コンクール」のWebサイト上では、読書感想文の書き方について「本を読んで自分がどこに感動したのか、なぜ感動したのかを考えましょう」「どう書けば自分の心の動きにぴったりするか、それがうまく人に伝わるかを考えましょう」などと紹介されています。

たしかに、そういう風に考えれば書くことが見つかりそうですが……まったく心が動かなかったときはどうすればいいのでしょうか。事務局はこの質問に「感動した本で感想文を書いてほしいというのがコンクール主催者の願い」としつつも、「つまらない図書だったとしても、何が、どうつまらなかったのか(書いてあることに共感できなかった、そもそも理解できなかった)などを書いていただければ、それも一つの感想文」と回答。筆者は小学生のころ、なんとなく「学校に提出する作文はネガティブなことは書いてはいけない」と思っていましたが、どうしてもつまらないときは「つまらない」と素直に書いてしまってもよかったんですね。

以前、Twitter上で話題になったエピソードに「読書感想文に『つまらん』とだけ書いたら、元国語教員の教頭先生に呼び出され、『つまらない理由を箇条書きにして』と言われた。その箇条書きを元に2人で文章をまとめ、完成させると『これが評論というものなんだよ』と教頭。それから、国語が好きになった」というものがあります。たとえ、自分とは相性が悪くおもしろみが分からない本でも、しっかり向き合えば貴重な読書経験になるものなのかもしれません。

出典:ねとらぼ

 


将来的にはどうしたら「アリ」になるんでしょうね。

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