「アニメで町おこし」が失敗する事例の共通点

 

 

 

 

 

 

 


具体的には、アニメ会社の招致などをしているようですが……

アニメコンテンツは、架空の土地を創造しキャラクターをおいて作ることもありますが、実際の都市に行きロケハンしてアニメーション化することもあります。そのアニメが良い評判を生み、多くのファンを獲得できた場合、ファンがその土地に実際に足を運ぶこともあります。この行為を聖地巡礼といいます。聖地巡礼したファンは、アニメに登場した商品やお店に行き、それを買ってSNSにアップします。それが連鎖を生み、多くのファンがその地を訪れるようになるのです。すでに、様々な自治体が聖地巡礼による恩恵を受けており、現在ではアニメーション会社を町おこしのために招致している自治体もあります。また、その作品が好きすぎてその地に移住するというファンもいます。その地に定住すればファンにとっても自治体にとってもwin-winの関係ですので自治体も力を入れています。結果として、アニメが町おこしに役立っていると言えるでしょう。過疎化してしまい、後継者がいないという土地でも、一度アニメ化されてしまえば、その地が聖地になり多くのファンが訪れる可能性があります。

出典:農家・農業求人サイト【あぐりナビ】

 

オタに媚びれば売れるだろうという甘い考え方ではまずうまくいかないでしょうね。

アニメやゲームにあやかって

アニメ作品の大ヒット、あるいはポケモンGOブームにあやかって、町おこしの話が頻繁に聞こえてくるようになった。アニメの舞台として描かれる町は、現実に存在する町を下敷きにしたり、あるいはそのものズバリの土地を描いたりすることで、作品にリアリティや郷愁を沿えるという手法が一般的になりつつあるようだ。

田舎を持つ人ならわかると思うが、実際にアニメの舞台で栄えるような地方は、そんなに簡単には見つからない。たいていは中途半端に再開発されて小綺麗になってしまうか、あるいは極端に寂れてゴーストタウン化していたりしている。いい具合に古く、そのまま町として生活が回っているところは、実はそんなにないのだ。

こないだの夏休みを利用して実家の宮崎に帰省したのだが、宮崎で一番の繁華街と言われる一番街通りでさえも、閉店後そのままになっているところがあり、その通りと十字にクロスする飲み屋街も、夜だというのに若い人の姿は極端に少ない。地元には若い人を引きつけるような仕事や産業もなく、少し野心がある子ならここに留まるという選択はないだろう。ここに住む人はみな悪い人たちではないだけに、刺激もまた少ないわけである。

しかしまあ、ふらふら飲み歩いている元気なオジサンたちはそこそこ居て、時間帯が悪いとお店もいっぱいで入れないこともある。ゆっくりと倒れつつあるが、その速度がゆっくりすぎて近くに居る人ほど気がつきにくい、そういう状況のように見える。

宮崎市は、町おこしをするには大きすぎる。市内の中心部に大きな面積を占めていた宮崎大学が移転し、大規模な再開発が行なわれたのが、もう30年近く前だ。それから「宮崎シーガイア」の巨額倒産、郊外のイオン進出、口蹄疫による畜産業の壊滅的打撃などがあり、町としての体力は徐々に削られていった。
現地に住んでいれば別の評価もあるのかもしれないが、前知事の東国原知事はよくやったと思う。それまでは神戸牛の下請けに過ぎなかった宮崎牛を一流ブランドに引き上げたのは、元タレントとしてのセンスをうまく活用したからだと思う。

『らき☆すた』の鷲宮神社が今も人気の理由

アニメ作品で描かれた場所に実際に行く、いわゆる「聖地巡礼」の歴史はどれぐらいあるのだろう。筆者がそういうものがあるんだと意識したのは、2007年頃にアニメ放映された「らき☆すた」あたりだったろうと思う。埼玉県春日部市が舞台となった作品だ。

聖地巡礼をサポートする「アニメツーリズム」というサイトによれば、アニメ由来の聖地と呼ばれる場所は、現在11378箇所も登録されている。このうち日本国内は10937箇所である。

アニメツーリズム 聖地まとめマップ

都道府県で見ると、ダントツに聖地が多いのは東京で、4132箇所。宮崎県に至っては、5である。佐賀県の2よりはマシだが、目くそ鼻くそレベルだ。これではアニメで町おこしなど、夢のまた夢である。

ただ、実際にアニメでうまく町おこしできたところは、実際にはそれほどないだろうと思われる。その理由のひとつは、実際の地域の人たちがせっかく訪れるアニメファンを「客」としてではなく、「異端者」として扱ってしまうだろう。

なんの名物もなく、お祭りなどのイベントでもないのに突然休日になると人がわんさか集まってきたら、誰だって不審に思う。こうして、受け入れ準備もできていない状況で人が殺到し、ようやく理解できた頃にはブームは去ってしまっている。このアンテナ感度のズレは、いかんともしがたい。

地方から仕掛けたブームが、いわゆる「ご当地ゆるキャラ」だったわけだが、これもやはり一過性のものだ。基本的にコンテンツは消費される運命にあるので、これが長続きすると考える方がおかしい。

長続きするのは、当たり前だが「すでに長く続いているもの」である。短期的なブームを、それとお見合いさせなければならない。たとえば地元の名物の食べ物とか、お祭りとか、海、山、川といった自然資源でもいい。アニメにも描かれているであろうそれらを、アニメ抜きでも気に入ってもらえるよう、ホスピタリティも含めてよい状況にあったところは、結果的に町おこしが成功している。

先の『らき☆すた』の鷲宮神社は、アニメ放映から10年が経とうとしているが、未だに初詣には大勢の人が押しかけるし、イベントを打てばまだまだ人がやってくるという。それはアニメの魅力が10年続いたということではなく、鷲宮神社自体が素晴らしいことに加え、コスプレでの初詣やアニメ画の絵馬奉納も不謹慎などと言わず許容する度量などが重なってのことだろう。

人の動きというのは、そうそううまくコントロールできるわけではない。ましてやアニメ作品の世界を理解して地元で待ち構えとけというのは、どだい無理な話だ。そもそもその地域の人が「へえーそういうことで来たの。まあ何にも無いけどゆっくりしていきなさい」と暖かく受け入れるような人たちが揃っているか、「ちょっとあんたたちなんなの。困るんだよねーそういうの」という態度のひとたちが主流か、その時点ですでにもう勝負は決まっている。

地元の人の態度がコントロールできない以上、「アニメで町おこし」もまた、コントロールできない。要するに、それだけの話なのではないかと思う。

出典:東洋経済オンライン

 

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