本が売れなくなったのは「若者の本離れ」ではなく、購買力がガタ落ちしたため

マクロ経済的な予想を見る限り、日本経済の状況が突然、良好になるというサプライズでもない限り、出版業界の逆風はさらに強くなると考えた方がよい。そうなってくると、出版業界が生き残るための方策は限られてくる。

市場が拡大せず、消費者の購買力も低いままで推移すると仮定した場合、業界のスリム化はもはや避けて通ることはできないだろう。書籍を1冊つくるためのプロセスをさらに合理化し、より少人数でコンテンツを作成できるようにしなければ、到底、コスト的に太刀打ちできない。

またコンテンツを売るための高度なマーケティング手法の導入も必至である。出版業界の体質は古く、数字やロジックではなく、いまだに感覚に頼って企画立案を行うケースが多い。ネット上ではGAFAに代表されるプラットフォーム企業が、(良い悪いは別にして)プライバシー問題が取り沙汰されるレベルにまで踏み込んで顧客属性を調査し、顧客にフォーカスしたサービスを提供している。GAFAについては賛否両論があるだろうが、先端的なマーケティング理論を駆使した一連の手法と比較すると、日本の出版業界は石器時代と言っても過言ではない。

購買力が低下している以上、それほどクオリティを求められないコンテンツについては、無料で提供する枠組みを高度化する必要があるだろうし、逆に、良質なコンテンツについては、多くの利用者からごくわずかの金額を課金する仕組みを追求していかないと維持が難しくなるだろう。

いずれにせよこのままでは、出版業界は崩壊に向かって突き進む可能性が高く、時間的な猶予はあまりない。今、出版業界に求められているのは、本離れを嘆くことではなく、しっかりとした経営センスを取り入れることである。

出典:JBpress



 

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「業界のスリム化はもはや避けて通ることはできない」という話は正しいと思います。

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