絵本作家の五味太郎さん「そもそも、コロナ前は居心地がよかった?」

新型コロナウイルスで社会も大人も「不安定」が渦巻く今、子どもたちにメッセージを届けたいと思って、絵本作家の五味太郎さん(74)にたずねたら、「そもそも、コロナ前は居心地がよかった?」と逆質問されました。400冊以上の絵本を出して世界で愛されている五味さんは、子どもを対等に見て、愛を込めて「ガキ」と呼びます。「ガキたち、これはチャンスだぞ」。子どもも大人も一緒に「不安定」との向き合い方を考える、五味さんのメッセージを2回に分けてお届けします。

いきなり逆質問から・・・

ーー今日は、新型コロナで大人がずっと不安定でギスギスしたりオドオドしたりで、子どもも居心地が悪いなか、子どもたちに直接何か届けられないかと思い、うかがいました。

はい、一緒に考えましょう。それで、まず聞くけど、逆にその前は安定してた? コロナ禍じゃなかったときは、居心地がよかった?

ーーぎくっ。

そうでしょ。普段から感じてる不安が、ひるがえってコロナに移っているだけじゃないかな。もっと言えば、不安とか不安定こそが生きてるってことじゃないかな。

不安? 不安定? それこそが…

心っていう漢字って、パラパラしてていいと思わない? 先人の感性はキュートだな。心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。不安定だからこそよく考える。逆に、「揺るぎない考え方」って死んでるってことじゃないかな。安心・安全を前提にするから、不安をマイナスに感じるし、人間を機械のように見てしまう。AIをやる人はそれを目指しているのかもしれないけど。

『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本を書いたことがあるけど、今みたいな時期こそ、自分で考える頭と、敏感で時折きちんとサボれる体が必要だと思う。戦後ずーっと「じょうぶな体」がいいと言われてきたけど、それはつまり、働かされちゃう体。「かしこい頭」っていうのは、うまく世の中と付き合いすぎちゃう頭で、きりがないし、いざという時に弱い。

今は本当に考える時期

ーー新型コロナがはやって、お仕事に変化は?

出る予定だったイタリアやメキシコのブックフェアは中止になりそう。楽しみにしてた野球大会も、公園封鎖でできなくなった。

でも、今広がってるテレワークは、元々おれも、仕事相手のデザイナーも編集者も、毎日やってること。どんどん広げていけばいいと思う。

いまは、ある意味、本当に考える時期。今回、うちにいたくないから職場に行くってやつが結構多いというのもわかったけど(笑)、それならその家の状況ってどうなのとか、考えるよね。

働き方も国会も学校も、色んなことの本質が露呈されちゃってる。五輪の延期も、オリンピックより人の命って結構大事なんだなとやっと再確認したんだろうし(笑)、優先順位がはっきりしてくる。

出典:withnews(ウィズニュース)

※続きは元記事へどうぞ

 

みんなの反応

 

 

 

 


当たり前ですが、置かれてる立場によって感想が違うでしょうね。

関連記事

マジック・ザ・ギャザリングが「死のコロナビーム」の記載を変更

コロナビールが生産停止へ

ラノベ作家の笹本祐一さんは新型コロナに関する事態をこう見ている