「漫画や小説にお金を使わない中高生」を、どう受け止めるべきか?

現代ビジネス5.15/大橋 崇行成蹊大学文学部日本文学科准教授
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/83072全国の多くの大学の中には、少し前まで高校生だった1年生向けの初年次教育で、まずは自己紹介のやり方から指導しているところが少なくない。そこで多くの大学生が言及するのは、好きな漫画や小説、映画ではなく、「好きなYouTuber」だ。こうした現象は、現代の若者、特に中高生がどのようにコンテンツを受容しているのかを反映しているのではないだろうか。
最近「中高生が小説やマンガを読まなくなった」「彼女ら、彼らがコンテンツに支出するお金が減っている」という意見を目にする。これらを検討するにあたって、まずは筆者の専門であるライトノベルと、無料で読める小説投稿サイト「小説家になろう」の例から話を始めたい。
■ライトノベルは大人のもの?
「10代をターゲットにしていたライトノベルの中心的な読者は、現在、30代以上になっている」。ライトノベルをめぐって、そのように言われることが少なくない。たしかに、小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿される「なろう系」小説には、明らかに中学生、高校生より上の世代の読者を想定して投稿され、書籍化に至っているものがある。
たとえば、舞『異世界に来たみたいだけど如何すれば良いのだろう』や、あおおに『冒険者デビューには遅すぎる? 』では、30代のサラリーマンが異世界転生をして冒険する。
また、棚架ユウ『転生したら剣でした』では、知性を持つ剣に異世界転生をしてしまった主人公が、猫耳の少女・フランの成長を、師匠のような立ち位置から見守ることになる。「成長見守りモノ」ともいえるこうしたジャンルは、「俺TUEEE系」や「悪役令嬢モノ」「追放冒険者モノ」ほど大きな流行にはなっていないものの、一定の読者を抱えている。
一方で、このように他人の成長を見守るという、親のような視点に立つ物語、設定に中学生や高校生が共感できるかといえば、たしかにそれは難しい。
■「ライトノベルの読者=30代説」をたどる
しかし、ライトノベル読者が30代以上になっているという言説は、2000年代の半ばからすでにあった。たとえば、2006年11月に『読売新聞』で3回にわたって連載された「ライトノベル進化論」では、すでに、ライトノベルのコアな読者が30代以上だとされている。記事が書かれた時期を考えれば、水野良『ロードス島戦記』(1988~1993)や神坂一『スレイヤーズ』(1990~)を10代のときに読んでいた世代が、そのまま年齢を重ねていたことになる。
「ライトノベル読者=30代」説が流れたのは、こうした記事などで作られたイメージが、現代にまで根強く生き残った結果とも言える。
一方、拙稿(「「異世界転生」小説、実はトレンドがめちゃめちゃ変化していた…!」、https://gendai.ismedia.jp/articles/-/80375)でも触れたように、「小説家になろう」のサイトを読んでいる年代は、10代、20代がおよそ半分以上になるという。
また、学園もののライトノベルや、メディアワークス文庫、スターツ出版文庫などのライト文芸で刊行されている泣ける恋愛青春モノの小説は、特に住野よる『君の膵臓をたべたい』以降、中高生のあいだで非常によく読まれている。
■本で買うか、ウェブで読むか
それでは、こうした言説と実態とのズレは、なぜ生じるのだろうか。理由として考えられることの一つは、書籍の購入者と、小説を読んでいる層の乖離だ。たとえば「なろう系」小説でいえば、長月達平『Re:ゼロから始める異世界生活』がライトノベルの文庫判レーベルであるMF文庫Jから出ていたり、「なろう系」を中心に刊行しているヒーロー文庫のようなレーベルがあったりする。一方で、文庫よりも大きい四六判の判型で出ることも少なくない。この場合、どうしても文庫よりも価格が高くなる。いずれにせよ、1冊買うと1000円ほどはかかってしまう。
高校生が手にしているお小遣いのデータは、各種アンケートから5000円程度が中央値だとわかる。これでは、1000円程度の書籍を定期的に購入するのは難しい。したがって、無料で読むことができるウェブサイトの「小説家になろう」は、中高生にとって、文庫判ライトノベルよりも遥かに接しやすいコンテンツだということになる。
■現代のコンテンツと中高生たち
立ち止まって考えてみれば、ライトノベル、「なろう系」小説に限らず、現代においてはさまざまなコンテンツに対して、中高生が使うお金が減っているように見える。
昔の中高生なんて買ってるのは雑誌一冊プラス集めている単行本1〜2シリーズくらいだろ
本の75パーセントは立ち読みするものだった
ガキがどんだけ金持ってると思ってるんだよ
まあガキ減ったってのもあるし
>>13
ほんこれ
雑誌も回し読みしたり友達と本貸し借りするとか家遊びに行って読んでた
一番早く入手した奴がヒーロー
いまは図書館にも単行本化された名作漫画や最近の漫画、人気小説もそこそこ揃ってて
本好きの子は図書館に籠ったりなんらかの電子図書のパスがありゃ何も困らない
ドはまりした作品があったら購入に踏み切って集め出すようになる
いまの若者はガチャに課金してるもんなw
本当バカだとおもうわ
ガチャ課金してるメインは40歳前後
そうだそうだ>パチンコ、競馬、競輪、酒、タバコ
競艇、オート「許された」
ガチャはお金が倍になって戻ってきたりするの?
そもそもライトノベルってジャンルをなんで読もうと思うのかがわからん
漫画がこんなに大量にあるのに
ただ今の書店に行くとラノベ原作の漫画みたいなものばかり平積みされている印象があって漫画すら読む気にならない
漫画>ノベルなんて考え方するならアニメだけ見てた方がいいんじゃない?
関係ないけど高校生って月に5千円もお小遣いもらえるのか…
羨ましい…
自分が高校生のときそんなにもらえなかったし
漫画好きだったけど全然買えなかった
それ、小遣いってより、家庭外生活費って呼ぶべきものだよ。
「サラリーマンの小遣い」と同じ意味。
自分が高校の時、同級生は学校の自販機で平気で有料の飲み物買ってたけど
自分は金なさすぎてほとんど買ったことなくて持参した水道水か家で沸かした麦茶飲んでた
自分が中高生の頃は古本漁ってたから多分使ってないのと同義だと思うが
だよね-。
昔から若者は新刊なんかじゃかすか買う余裕なかったよねー。
古書店に出回るって事は誰かが
買ってたって事だから
売上的には問題なかったんだろうな
気に入ったら最新刊は正規の値段で
買ったりもしてたろうし
違法アップロード使ってるやつは、問答無用で少年院送致したらw
今も普通に新刊が出てる>>1のなろうの奴の価格帯がだいたい最低でもそれぐらいなんだよ
勿論、電子書籍はセールで50%offぐらいはやるが
今はテレビじゃなくてYou Tubeだろ
頭が悪くなるぞってことに関しては変わらんがww
スマホは
まぁYouTube漫画動画やアニメの無断転載みれば、こと足りるわけだしw
漫画村を公式で無料でやる
これでなんとかなる?
ますます金を使わなくなるじゃないか
金ない奴は、青空文庫で十分だな。名作揃いだし。
年取ったら星新一がのんびり読み返せるなと楽しみにしてたら著作権伸びて(´・ω・`)
星新一って1冊読めば全部読んだようなもんじゃん
その返しは初めてだな
>>884
星新一 って1997年死亡だから、現在死後24年
著作権の死後50年の時でさえ、あと26年後
今は死後70年後だから、あと46年
諦めて、小説買え
だから(´・ω・`)なんよ
手元に残ってる本だと字が小さくて読むのキツくなりそう
つ ハズキルーペ
調べたら老眼鏡より疲れないみたいだね
ユーザー決定かw
乱視と近親進んだらコントラスト明確なデジタルが見易いと感じる
情報のペース早まってんのに、なんで著作権伸びたんだろうな。
>>956
ディズニーからの圧力
日本がTPPに加入しなければ50年のままだったけど、アメリカからの強烈な圧力で70年に。
その後、アメリカはTPPに不参加で、何だコノヤローって思ったわ
図書館行きゃいいじゃん
読解力ない今の中高生は読めない
異世界でやり直したいほど現実が散々な
氷河期世代がコア層
ならもっと若者向けが持て囃されてもいいような気がするがどうなんだ
若者は無料なら読むけど金は使わないからだよ
なるほどそれで需要はあっても供給はされないのか
ぶっちゃけランキングのし上げてくれるだけでも物書きとしては嬉しすぎる
基本的に自分より大人の背伸びしたものが読みたいのが若者だから
高校生なら大学生や社会人の話が読みたくなるものだ
大きなお友達
幼稚な大人
それがジャップランドのいいところ
そのランドの最下層が
お前w
30代にもなってラノベ読んでる層は40代50代になっても読むだろうから、少なくともラノベ業界は向こう20年くらいは安泰だろ。
今のままじゃその後滅亡するけど。
クラス全員じゃないけど土曜半ドンで飯食ったらじゃんけん負けた奴がキオスクに買いに行って仲良しグループで読み回してた
楽しかった
それは音楽、映画、ドラマも同じ
>>17
漫画は電子書籍も合わせると市場としては伸び続けてる
紙の雑誌は減ったけど、それ以上に今はWeb連載増えてるし
なろう小説みたいなのは
馬鹿にされてるけど広く読まれてるのは事実
むしろ世界に広まるまである
もう新しいものも産まれて来ないかも
漫画、小説は止まっても、他の新しいものは生まれているじゃん。
その新しいものにもカネ出すかな?
最近よくある無料マンガアプリの広告、異世界転生チート能力を労せず手に入れて無双みたいなのばかり
中韓産スマホゲーは最底辺が一瞬で逆転人生みたいなのばかり
こういう逃避するしかない惨めな現実を抱える奴が多いのか?
それが格差の拡大と、格差の固定化の成れの果てだよ。
生涯未婚者が激増するのも同根でしょう。
能力の有る者は現実を掴み、能力の無い者は空想に浸るのが現代だよ。
> 現代においてはさまざまなコンテンツに対して、中高生が使うお金が減っている
無料のコンテンツが増えて、貴重なお小遣いで何か買う習慣が減ったってのはあるでしょうね。
ディスカッション
コメント一覧
高校生時代お小遣い500yenワイ、低みの見物
広告モデルか、インフラ寄生モデルへ移行すればいいだけ。
60年前から無料のテレビ放送をやってたんだから、
その現代版であるネットに焼き直すのは簡単なはず。
文字だけなら超軽負荷だから日本の技術でも維持出来る。
動画はGAFAクラスでないと無理だけど、
マンガはお隣の国でも粗製乱造出来てる。
底辺はその程度の出来でも充分満足出来るみたい。
中高生の時は図書館で本やCDを借りあさってたし、そんな自由にお金使えた記憶ないな…
そういう点では大人になるのも悪くない
広告モデル、つべみたいなのは利用者側としてはきついが、それはそれとしてこう大手以外のマネタイズの厳しさみたいなのを最近はいろいろと感じる
タイトルを意訳した↓↓↓
「ねぇ、構ってよ。」(わなびー)
若い人にかまってもらえない可哀そうなワナビーの中年……
ぶっ刺さりすぎて泣きました!
>そこで多くの大学生が言及するのは、好きな漫画や小説、映画ではなく、「好きなYouTuber」だ。
文芸部とか映研とか同人的な場じゃなきゃ、元から自己紹介で作品名まで出すのはギリ有名漫画くらい。直感的には好きな芸能人が好きなyoutuberに置き換わったという理解が先にくるわけで、直接的な関連性がない。
特にラノベなんか陰キャしか読んできてないから、尚更平均の変化で語りにくい。90年代以降は中高生が娯楽に金使うならまずゲームが中心。交際費とゲームに使って、余りがせいぜい漫画。ライトノベル読む層にとっても、ロードス島とかだってドラクエ需要ありきだったんだからゲームの方が強い。
冷静に考えれば、金を使わなくなったかどうか以前にゲームも買いたいガキの小遣いでは500円の単行本でも安くはない。原則中古や回し読みでなるべく済ますのが普通。ライトノベル読むタイプにとっても、なろうみたいに無料供給があるならそっちで読むというのは条件からくる必然。世代の特徴とかじゃない。
そしてYouTubeにおいてゲーム実況は中心ジャンルなんだから、YouTubeによって他の娯楽の需要がなくなったとも言えない。中高生の経済事情が変化したなら基本無料のスマホゲーによって余裕ができたか、逆にガチャ課金しちゃって苦しくなってるかのどちらか。
小説なんかの動向を議論しても中高生の金の使い方見えてこないよね。
割ってるから金払わないだけで読んでる奴はいるだろう。
漫画村が悪いよ。
そもそも娯楽コンテンツに払う金という概念自体、今となっては棄損され切ってると言わざるを得ない
(そしてそれを最初にしだしたのはむしろコンテンツ提供側の方だという点は都合よく見なかったことにされている)
要はAKB商法とかソシャゲガチャとか投げ銭とかみたいに、本当に客が欲しいのは投票数や握手券やガチャの当たりキャラでしかないのに、実際に購入できるのは別にそれ自体が最大の目的物にはもはやなり得ない建前件大義名分のおまけにするとか、くじ引きする権利とかキャバ嬢に名指しでほめてもらえて承認欲求が満たせる権利だけ、などのように
客が本当は何に対して金を支払っているのかの焦点を意図的にぼかしたり迂遠にさせることで、もはや支払いやその額に対する正当な購買物そのもののの客観的な金銭的価値自体がめちゃくちゃに歪められてる上に、その歪みを金を払う側は払いたいから満足しているから払ってるんだという抽象的かつ恣意的な虚言で印象操作するところまでが完全にセットになっている
そりゃこの理論が当然になってる時点で、同時に逆説的に言えば金払いたくないから一切払わない、金払いたくないから海賊版や違法サイトでいいと言う思想を正当化するものでこれらが平然とまかり通るようになって当然だと思う
この考察は中々面白い