【晒し】FLOWERS!! Z -小説家になりたい僕と、同時代の天才たち-
FLOWERS!! Z -小説家になりたい僕と、同時代の天才たち-
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以前、
『虹の果てで待ってる』
『FLOWERS!! -小説家になりたかった俺と、いつか小説家になる少女の物語-』
を晒した和泉龍一郎です。
前回、前々回と本当に多くのコメントを頂き、誠にありがとうございました。
皆様におかれましてはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
さて私のほうは掲題の通り、また新作を発表させていただきました。
前作『FLOWERS!! -小説家になりたかった俺と、いつか小説家になる少女の物語-』で書けなかったことがありましたので、それらを掬い取るために書きました。
続編ではありますが物語としては独立していますので、本作からでもお読み頂けます。
皆様には、以下の点についてお伺いしたいです。
①《離脱ポイント》《流し読みポイント》はありましたか?
②描写が薄い(説明が足りていない)箇所はありましたか?
③キャラクターに魅力を感じましたか?
すべてお答え頂かなくても構いません。
もちろん上記以外の内容でも構いません。
どうか皆様のお力をお貸しください。
よろしくお願いいたします。
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コメント一覧
すみません、作者名とあらすじでギブアップです
たぶんこれも「ワナビ人生辛いわー苦しいわー。身近に夢を叶えたヤツがいるとますます辛いわー」の話ですよね
前前作は読んで感想を書きました
前作はあらすじで同じテーマを感じて流し読み、感想は書きませんでした
和泉さんはきっとこのテーマに面白さの鉱脈があると信じて掘り下げようとされてるのでしょう
しかし僕はこのテーマを全く楽しめません
たとえスカッと爽快なラストが待っていたとしても、「ワナビ人生辛いわ苦しいわー」の話ならば正直読みたくありません
感想でもなんでもなくて本当に申し訳ないです
この後、説得力のある絶賛コメントがあれば僕も掌返しで読み、土下座コメントを書くかもしれません
ひぐまっち様
コメントありがとうございます。
非常に残念ですが、いつかお読み頂ける日がくることを信じています。
今後ともよろしくお願いいたします。
和泉龍一郎様へ
こんにちは、匿名です。
前回の晒しに続き、作品読ませていただいたきました。
①《離脱ポイント》《流し読みポイント》はありましたか?
文章は上手なので途中まではすらすら読めましたが、8話あたりから流し読み。
トータルで一時間弱で読み切りました。
離脱理由は、全二十話のうち半分近くきたにもかかわらず惹きつけられる点が無かったから。
そして9話で母親と不仲の主人公が家出したせいで、
前作に続いてまたこの展開か、とがっかりしたからです。
②描写が薄い(説明が足りていない)箇所はありましたか?
全体的にはむしろ、これ本当に必要な描写なの?と感じる箇所が多く冗長な印象でした。
ですがクライマックスで花に声をかけにいってからはあっさりで物足りないというか
そんなオチのためにここまで引っ張てたのか、といった感想で徒労感がありました。
続きです
③キャラクターに魅力を感じましたか?
伊藤はそれなりに好きでした。
主人公に懐いてくれる年下の天才文学少女、
という前作における花と丸被りしたポジションで都合のいいチョロイン感はありましたが
そこそこ可愛かったと思います。
あと南先生も、魅力的というほどではないけど人間らしくていいなと思いました。
花については前作以上に舞台装置感が強く、後述するオチのせいで好感度は低いです。
主人公についても、最初から最後まで好きになれませんでした。
前作の主人公でも感じましたが、母親への態度が酷くて特に引きます。
母親にも落ち度はありますし、教育ママうぜぇ、と思う気持ちもわかりますが、
『世のなかには理不尽な人もいるのだ。
自分はこんな人間にはなるまいと、母親を反面教師にしようと思った。
『相手を変えようとしてはいけない。
自分が変わればいいだけの話なのだ。』
ここまで言ってたくせに、本命校どころか滑り止めまで落ちた主人公はクズいなぁと思いました。
前作主人公のように周りからクズ扱いされることもありませんでしたし、主人公の扱いにストレスがたまりました。
物語の主人公だからと言って善人である必要はないと思いますが、他に魅力的なところも有能なところもない主人公の一人称小説でこれは個人的にきついです。
続きです
④オチについて個人的な感想
申し訳ありません。個人的にオチが好みじゃなく、すごく肩透かしでした。
『楽しんで書いてないよね。だって今の星崎くんの顔、とっても辛そうだもの』
『僕は小説を書くのが好きなんじゃない。
小説を書いている自分が好きなだけなのだ。』
これらの主人公への評価はその通りだなとは思いましたが、本当にそれだけだったのは残念です。
小説を楽しんで書くことだけが、正しいことだとは私は思いません。
現実逃避し劣等感に苛まれ辛くて苦しく、でもどうしても書かずにはいられない。
それだって立派な作家の在り方の一つだと思います。
主人公だって作中で悩み苦しみながらも、家出までして小説を書いていました。
にもかかわらず、初会話も同然の花に
『あなたは執筆を楽しんでいない。だからまだ作家になるべきじゃない』
と言われあっさり引き下がり、疑問を持つこともなく納得してしまうのはちょっと……。
主人公の主観で数年間、読者の私が数十分かけてつきあってきた主人公の小説への思いが、ひどく薄っぺらく感じてしまって残念でした。
花についても、作者の主張を代弁し、一方的に主人公を評価し諭すための舞台装置にしか見えず、前作以上に好感度が低かったです。
現実には主人公みたいな人間は多いのでしょうが、この長さの小説でこのオチは徒労感が強いです。
ぶっちゃけこの作品、大きなイベントは家出と花との会話の二つくらいですし
このオチにするなら今の半分くらいの短編でまとめてもらえた方が嬉しかったです。
⑤前作との共通点について
ヘタレで作家志望の男主人公の挫折と再生、不仲な母親、懐いてくる年下天才文学少女、家出。
主人公も含め、前作とあんまりにも設定や展開が似すぎてて胸やけしました。
似た設定でも結末が別物だったり、完成度が上がってれば楽しめるのですがこれはちょっと……。
前作の方が主人公のダメ人間っぷりや、家出からの花誘拐という劇的な展開が(一応)あったので
まだ小説として見どころがあった気がします。
ぶっちゃけ晒しじゃなかったら、既視感が強すぎて途中で読むのをやめたと思います。
それとタイトルは変えた方がいいかと……。
前作は二人の花がいたのでまだわかりましたが、今作だけでは意味不明だと思います。
最後の「Z」の意味もよくわかりませんでした。
伊藤のように「私は、私のために小説を書いてる」なら今のままでもいいと思いますが
和泉様は何回もここで晒されている以上、たくさんの人に自作を読んでもらいたいのだと思います。
でしたらもう少し、タイトルから内容が推察できるものにした方が
ネット小説では有利になると思います。
色々書かせていただきましたが、これらはあくまで自分の感想です。
鬱を患いながら大変かと思いますが、今後の活躍をお祈りしています。
匿名様
お読みいただきありがとうございます。
忌憚のないご意見をいただけて、本当に嬉しいです。
どれもその通りだと思います。
一つ一つのご意見が大きいので飲み込むのに時間がかかりそうですが、
無駄にはいたしません。
ここまで詳細なご意見をいただけて作者冥利につきます。
何だか力が湧いてきました。
病気のほうは少し大変ですが、創作をやめようとは思いませんので、
またお目にかかれることを願っております。
今後ともよろしくお願いします!
文章の言い回しとかはところどころで面白かったです。しかし内容は、失礼ながら全体的に薄っぺらいと思いました。否定的な意見を漠然とした言い方にしたくないので長文になりますがご容赦ください。各項目ごとに分割して投稿します。
②について(①とも関連)
展開が薄味なのはジャンル的にしょうがないとしても、客観情報の具体化や感情の掘り下げが少なすぎる印象を受けました。離脱や流し読みの本質は読者の関心を維持できなかった結果であり、分量自体よりも、文章量に比して表現と情報の提供が集中力と興味関心を維持する程度にできているかだと思います。
まず情報の具体化不足としての例は
・1話目、綾瀬が芥川賞と直木賞のどちらを獲ったか明かさないのは不自然(現実で大きく報道されるのは芥川章ですが、17歳が獲ったら直木賞でも例年の芥川賞以上に報道されるはず)
物語としてあまり重要なピースではないものの、両賞ほどの知名度なら特に意図もなく芥川賞を受賞したとか述べるのが普通で、つまりなぜか書いていないことが不自然に目立ちます。「あれ? 読み飛ばしたかな」と読み返してしまいました。
そのインパクトで報道内容が主人公の頭に入ってこないシーンではありますが、一般常識である両賞の成り立ちとかはわざわざ説明しておいて、起点的重要人物がどちらをとったかすら具体化しないのはアンバランスでしょう。ところどころでそういう具体化情報のアンバランスさを感じました。
・9話目の家出展開、主人公の具体的計画がわからないまま話が進む
ミステリやアクションとかで驚かせるために現在情報を濁したりはありますが(語り手主人公向きではないが)、仮に意図的な演出だとしたらあの程度の展開には大袈裟です。客観的に10代全般が一度は経験する反抗レベルの範疇ですし、かといって意図がスムーズに察せられるほどわかりやすいきっかけもありませんから、読者には疑問符がついたまま10話で思い出話も挿入され置いてけぼりを食らった後に肩透かしを感じるだけかと思います。とりあえず塾をサボって休日の学校に侵入して執筆を始めたことがわかるだけで、一日塾をサボるだけなのか、書き終わるまでやめないのか、具体的な計画がわからなければ感情や覚悟の強さを客観的に把握できません。その状態で「俺はやるぞ!」「ゾーンに入ってるぜ!」と一人称で実況されても主人公と情熱を共有などできないはずです。ジャンル的にも共感性や感情移入を重視すべき作品だと思いますが、一定の情報が具体化されないと感情移入もできません。
次に、感情の掘り下げが全体的に淡白すぎるかなと
・綾瀬への感情
そもそもラノベっぽいタイトルとも作風が合っていないのですが、あらすじや出だしで持ち出した割に掘り下げが少なすぎます。この程度の分量の中編において綾瀬への感情を中心的話題として維持しないのは不自然です。序盤で恋愛感情もあるかのように匂わせつつも以降は最後まで掘り下げずで、要は肩透かしでした。綾瀬の受賞に対する感情で作った起の引きに対して承を2~8とすれば、ただでさえ薄味の承が長いのに5~8話と半分以上が綾瀬について言及もなく続くので、読者的には急に物語の方向性が日常系に変わったようにも見えるのではないかと。
終盤まで綾瀬と会話さえしない展開自体については、朝井リョウの霧島や何者みたく最後まで出て来ないのが逆に面白いケースとかもありますが、主人公の頭の中にはもっと綾瀬が出て来るくらい執着や動機として明確に影響していることを示すべきかと。
例えば漠然とプロデビューへの執着が綾瀬によって強まっているとか、伊藤との恋愛的な部分を描くなら「仮に好かれていても恋愛なんてしていられない」みたいな意識高い病をこじらせてるとか、あるいは踏み込めない言い訳にしてもいるとか、もっと主人公の感情のディテールを具体的にも多面的にも描写できたはずです。
そうした主人公の長い割に中身のない一人称の長さに対して、綾瀬の「世界を変えるため」とあっさりした一言が結果的にはいい演出にもなっていますが、主人公の成長物語としては綾瀬がいなくても先生とのやり取りの方だけで成立するよねって思いました。サブタイトルに置くほどの重要さは感じないです。
・創作についての思い入れ
伊藤については創作の目的や作品概要もあるのに、主人公のそれらは全く具体化されません。意図的に浅いワナビを描くにしても、書き始めたきっかけ程度のバックボーンすらないのでは共感のしようがありません。
なんというか自称クリエイターの匿名アカウントで演技っぽい活動日記を見ている感覚でした。なんで書いてるかもどんなものを書いているかも全くわからないまま「自分の作品を読み返すと自信をなくす、でも書いてない自分は想像できないんだ」「塾に行きながら書くのは大変だ、でも俺はやってみせる」みたいな話聞かされてもって感じです。伊藤ともやりとりはラブコメと主人公の応援だけでフォロワーの馴れ合いコメに見えます。
内側はもっと明確に驕っていたりダサかったり本音が見える方がリアルかと。まあ実際は高校生なんて浅くて薄っぺらいほどリアルなんですが、この作品については的確に描いているというより単純に感情や人生観の掘り下げがないだけに見えました。
・成長としての具体的変化描写
「高校生やそこらでプロにならなくていい」と当たり前の話で呪縛から解き放たれただけで、主人公が自分を未熟だったことを理解したというより変わらず意識高い系の一人称が「反省した」と漠然と語っているだけにしか見えないというか。もがいた中で得たものもありますが、綾瀬に読んでもらって憑き物が落ちたのであろう直後も塾をサボって叱られるのを母親とのバトルとあえて反論前提で表現していたり、相変わらずのガキにしか見えなかったです。細かなところですが、別にサボる客観的必要性はなかったわけで「謝っとかないとな」とか母親との付き合い方が微妙に軟化するだけでも細やかな成長を描けるかと。分不相応なことに悩んでいない以外、特に何か変わったように見える要素がないです。
女医マン様
お読みいただきありがとうございます。
忌憚のないご意見をいただけて嬉しいです。
情報の具体化と感情の掘り下げは意識したのですが、
上のような感想となり残念に思います。
もちろん作者の能力不足によるものですので、
今後より一層意識します。
読み込んでくださらないと出てこないようなご意見を
たくさんいただけて、作者として誇りに思います。
今後ともよろしくお願いします!
すみせん、③についても投稿したつもりが私が長文過ぎたせいで長文が弾かれるようになったのかも
キャラについても印象が薄かったです。具体性も多面性も乏しいというか。まあ中編なら掘り下げが少ないのは仕方ないですが、もうちょい描かれないとキャラの良し悪しレベルの話にならないです
・主人公は既に述べたようにバックボーンなど創作への動機の軸が見えず、情熱に感情移入が出来ませんでした。綾瀬からの影響によって高校生でプロになるという無謀な目標への執着を加速させたことははわかりますが、これはいわばa(元の夢)×b(綾瀬の影響)のうちbしかわからないから共感性が足りないということです。勉強についても国語についてはどうなのかとか気になりましたし、勉強へのスタンスも描写が一面的すぎるかと。
・伊藤も書き手としての側面が最初の紹介以外で描写されす、ヒロインとしてもなぜ主人公が好きかもわからず既に好意や関係も完成しているため、読者には主人公の既存フォロワーでしかありません。こういう彼女欲しいなとは思いましたが主人公の環境が羨ましいだけで、伊藤個人の個性に対する魅力ではないです。小説の技術とか具体的な議論が交わされるシーンが一つあるだけでもオンとオフが描かれて違うと思います。
・綾瀬は最後の一言とか言葉の少なさが主人公や伊藤の「たかが小説」というブレーキとの対比もあって魅力になっていますが、キャラを描くというより描かない結果の演出効果による魅力って感じです。
・先生が相対的に一番濃いです。当初見せた冷たさに反して後半で見せる親身さという多面性ないし関係の変化があり、綾瀬同様に価値観や考えの軸も見えて、且つそれを等身大の人間として経験と共に本人の口で語っているから、どういう人かがわかるわけです。とはいえ、ありがちな「私も同じ夢を持ってた」というテンプレ大人理解者以上にはなっていないので相対的にです。部活モノのドラマに絶対出てくる奴なので
ジャンル的に極端なキャラ性はいらないと思いますし、伊藤の普通のJKらしさや綾瀬の話してみれば基本普通の人という結論から「みんな普通の人間なんだ」みたいな答えはわかるのですが、いずれのキャラも物語ないし主人公に必要な装置以上のキャラにはなっていないかと。
物語や展開に直接必要のない性質が付与されることでそこを脱すると思うのですが、虫が好きな女子とかは滅多にいませんし主人公からの伝聞紹介なのでキャラへの印象が変わる情報ではありません。
ベタですが、創作議論とか理性的な面を見せた直後に虫が入ってきて大騒ぎするシーンとかだけでもその情報が印象的になります。
また①〜③以外というかそれらを複合的に解決する手段の方向性の一つとして、サブエピソード的な軸を作るといいんじゃないかと思いました。
これはあくまで一例ですが、私が修正プロットを組むとしたら「来年の文芸部のために何か残す」という文芸部としてのゴールをもう一つ付け加えます。まあベタですけど。
主人公は最初から「一人で創作するのは難しい」という考えを語り、また実際に伊藤の応援でモチベーションを保っていますし、伊藤の助けになれることがあればしたいとも描かれています。
これで伊藤への恩返しというか、来年から一人になる伊藤の活動をまるで心配していないのはそもそも不自然でもあります。
伊藤と二人で文集ノルマを持てば、共通の仕事として具体的な創作議論を交わすシーンも作れます。ただ、主人公は文集のためだけでなく、自作を賞にも送るつもりでいます。綾瀬からの影響として、「自分が入賞すれば部に実績を作れて勧誘に有利だ」と当初は考えているわけです。
一方、伊藤なり顧問などの第三者なりに「綾瀬に頼んで在籍していたことにしてもらってはどうか」みたいな提案を受けるとあれこれ屁理屈をこねて、それは試しもせず否定させます。
伊藤のため部活のためを第一に考えれば、綾瀬のネームバリューに頼るのが最も近道且つ効果的なのは客観的に明らかなわけで、しかも自分の目標の方には現実味も根拠もなく、そのスタンスの矛盾によってコンプレックスを掘り下げることもできます。塾から逃げてやりたいことだけやっている自分への言い訳に伊藤を持ち出すような未熟さも描きます。
そして憑物が落ちてからは、勉強と両立していくつか短編や批評文(教科書中の作品の解説など自習にもなるし読者が勉強にも興味を持てるもの)を書いて文集を作る堅実な手段をとらせます。これによってわかりやすく成長を描けます。
また、話せるようになった綾瀬にその添削を頼んでみると「相変わらずまだまだだけど、今の君は楽しめて書いてるのはわかるよ」とか言いながら気前よく編集として名前貸しも許諾されるものの、でも伊藤と僕の文芸部だからやっぱり綾瀬の名前には頼らないと名義貸しはせっかくだけど断るとかして、自分の意地もそれまでとは違う価値観で残すとか。
これは一例ですが、つまり具体的なサブテーマなりサブエピソードなりを増やせばキャラの掘り下げや展開を増やせていいんじゃないかということです。
いずれにせよ描くつもりだったエピソードだけでなく、主人公の目線になったり学校生活を色々想像したりすれば書くべき内容は増えてくるんじゃないかと。他の人の感想で前作の使い回し的なコメントもありましたが、高校生活への考察が足りてないからエピソードが浅いのかなと思いました。
余談なんですが、昨日観たテレビ番組で山奥育ちの人が最初にコンビニを見たときのことについて「品揃えに驚いたでしょ?」と聞かれて、「いや、めちゃくちゃ明るかったことが一番衝撃でした」と答えたんです。品揃えが多いとかは情報として知っていても、明るさは想像がつかなかったと。ただそれだけのことなのに、なんだか面白いですよね
つまり何が言いたいかというと、実体験を語った人の感想や理由が私達の想像や常識からズレながらも説得的であると、「なるほどなあ」と面白いリアリティになるわけです。
小説なり随筆なりというのも、そこで語られる状況について主人公や語り手は読者よりも考察が深いことが求められているはずです。語り手の語ったことしか私達はわからないから、共感性もありつつ私達の考えよりも何かしら先の答えを持っていて欲しいわけです。
文章も本質は同じです。同じ情報を伝えるにしても、リズムが工夫されていて読みやすいとか、なるほどと思えるように的確に喩えるとか、あまり思いつかないけどしっくりくる言い方とか言い回しとか、読み手の見慣れたものより先を行く文章だということです。だから感心するわけですよね。好みにもよりますが、それは概ね出来ていると思います。面白い文章をお書きになっているかと。
それをストーリーやキャラの情報量でもやってほしかったということです。
例えば小説家を志す主人公といえば、普通の人は「国語の勉強は読書だから好きなんじゃない?」とか思いますよね。例えばこれに「いや、小説家というのは文章によって一方的に本一冊分好き勝手喋るような人間だ。そんな奴が人の話を黙って聞くのが好きだと思うか? 少なくとも模範解答を答えるために文章を読むというのは非常に苦痛なのだ」とか言われたら、屁理屈ながらそうなのかもって思いますよね。理由を掘り下げてほしいのです。
ただ勉強したくないんだと言われても、学生の無意味でつまらない日常会話と内容は変わりません。言い回しが面白いだけです。
特に物語の優位性というのは、何でもかんでも作者が設定できることです。ならば伝えたいことに凝った理由や背景を作って面白い言い回しで語るのが小説という表現方法だと思います。掘り下げとは前者のことです。
以上、長々と失礼しました。
女医マン様
引き続きコメントしてくださり、恐縮です。
サブエピソードは確かにと思いました。
もっと色々やれたなあ、と今になって思います。
「高校生活への考察が足りない」
その通りです。胸のつかえがとれたようです。
この「もっと色々やれたなあ」をここで思えてよかったです。
本当にありがとうございます!
長文(?)が弾かれるみたいなので小分けにして連投します。
①前作と前々作は一部流し読みしつつも全部読んだのですが、今作は6話で離脱しました。
晒しじゃなかったらもっと早く離脱したかもしれません。
②基本的に延々と主人公の独白ですので、そもそも説明不足と感じるほどに描写が必要ない構成かなと。
そして独白が前作主人公のものと比べると平坦で、それもあって前述通り最後まで読む気になれませんでした。
③伊藤は作者さんの晒し3作品の中で突出してキャラが立ってると思います。
しっかり懐いてくれてるけどべたべたし過ぎないこの距離感、個人的にとても好みです。
一方で独白の主体である主人公は毒の抜けた前作主人公と言う感じで正直面白みを感じませんでした(その前作主人公自体もっと毒があっても良いのでは、と前回コメントさせて頂いた記憶がありますが)。
花ちゃんに関しては読んだ範囲では舞台装置でしかない印象なので、割愛。
総合して、前作と比べて展開もキャラも弱いと感じました。
ただ前作を読んでいない場合、これくらいの方が読み易いと感じる人もいるかもしれません。
また最終話まで読んだら印象が変わるかもしれませんので、参考までに。
あとこの話の場合、サブタイトルは「同時代の天才たち」ではなく「同世代の天才たち」とか「同じ学び舎の天才たち」とかの方が良いのでは?
前作の二人も同時代にはおっさんと少女として生きてるわけで、それを同世代にずらしたのが本作ですよね。
OTZ様
お読みいただきありがとうございます。
6話で離脱されたとのことで、残念ですがそこまででも嬉しいです。
もっと頑張ります。
今後ともよろしくお願いいたします!
伊藤を好きと言ってくださり、作者として誇りに思います。
遅ればせながら全部読みました!
今作も無事、最後まで書ききられたこと、おめでとうございます。
そして大変お疲れ様でした。
他の方がなかなかにきびしい批評をされてるので、自分はよかったと思うところを上げていきます。
ただの雑多な感想になってしまいますが、どうかご容赦ください。
この三作目が自分は一番好きです。青春ジュブナイル的な感じで。読後の爽やかさもある。
関係ないですが、ちょっと昔のフリーノベルゲームをプレイしたような感覚になりました。
文章の素晴らしさは相変わらず、どころかより洗練されてきてるように思います。
大袈裟な言い方をすれば、もうすでにある種の高みに充分到達していると言っていいんじゃないでしょうか。
個人的に今回特筆すべきと思うのは文章のリズムのよさでしょうか。
自分は完全な黙読が出来ない人間なので(声はでなくても口元が動いてしまう)、息継ぎのタイミングなどが大変しっくりきて読みやすかったです。
コメント欄でも内容に触れる方しかいないのは、ある意味で文章そのもののよさと、内容とのギャップがそれだけあるということかもしれません。
伊藤、いいですね。圧倒的に伊藤推しです。かわいい……。
主人公との軽快な会話も好きです。青春ものの小説の高校生らしくて。
内容や構成などについては他の方が述べられているので省略しますが、そうした課題も前回も書いた通りいずれ時間が解決してくれるのではないかな、と思います。勝手な推測ではありますが、文章を綴ることそのものについては、和泉様はかなり楽しむことが出来ているんじゃないでしょうか。
そういう確たる繋がりが和泉様と創作の間にあれば、小説の様々なことに関してはそこまで悲観的にならなくても良いと考えます。
私事ではありますが自分も健康にやや難を抱えつつ、ごく短時間ではあるもののほぼ毎日趣味としての自分の好きなことをずっと継続できています。そのことに対するありがたさ、心強さ、こうした感覚については大変共感いたします。どうか大事に。
最後に、今作を読む機会をいただき、ありがとうございました。
次作がもしまたあれば、それもすごく楽しみにさせていただきます!
ぽこぽこ様
お読みいただきありがとうございます。
きびしい批評が続くなか、ぽこぽこ様のコメントが
マラソンの給水ポイントのように癒しとなりました。
高みに到達しているだなんて過分なお褒めのお言葉をいただき、
恐縮するばかりです。でも自分ではまだまだと思っていますので、
慢心せずこれからも頑張ります!
伊藤を推しと言ってくださって本当に嬉しいです。
書いてよかった、と心から思います。
お互い健康に難ありですが、ともに頑張っていきましょう!
何かやってればどこかにはたどり着けると信じています!
次作……あります!
誰に何を言われようが、書くことを、そして発表することを止めません!
今後ともよろしくお願いします!
管理人です。まずあらすじ、冒頭の「天才たちと同じ時代に生まれてしまったら、どうすればいい?」という問いかけに「常にいっぱいおるやろ」と思ってしまいました。物語上の天才が綾瀬一人ではないということなのでしょうけれど、ここは「天才たち」でなく単数の「天才」のほうが受け入れやすかったです。
第一話は良いですね。鍋の描写、「今までと同じようには味わえそうになかった」とありますが、素材を羅列して「ぐつぐつと煮えている」で終えると、感情の隠喩が成立しそうです。ただの思い付きですが……。
読みやすさや第一話であることを考えると「●」の前で区切ったほうがいいかもしれません。とは言え、第二話で時間が飛ぶので、第一話でここまで書き切りたいのもわかります。
文章は相変わらずとても読みやすく、「だから僕は、どうにもなれないのかもしれない。」とか、「それは僕の名誉のために割愛したい。」といった各所の表現が良いです。ただ、先が気になるかというと微妙なところです。というのはキャラクターの魅力がいまいちだからです。綾瀬も伊藤も悪い意味でモブ顔のイメージしか浮かびません。だからと言って奇抜・突飛にすることもないと思いますが、何かしらのテコ入れがないと「彼らの未来が知りたい」とならないと思います。
管理人様
また掲載の場をお与えいただき、そしてお読みいただき、
誠にありがとうございます。
キャラクター、特に主人公の薄さは今回たくさんご指摘いただいて、
また色々なことがわかりました。
今後はより一層「彼らの未来が知りたい」と思えるような物語を
意識したいと思います。
今後ともよろしくお願いします。
読ませていただきました。私は小説を書く立場ではありませんので、的外れな意見になってしまうことをあらかじめご留意ください
まず感想ですが、よくある青春ものとしては悪くない題材だと思います。創作とはなんたるかに焦点を当てたわかりやすい脚本は親しみがあります。
地の文も読みやすく、文章体も簡潔ですらすらと読めましたね。使われている漢字、熟語、言い回しも親しみあるものがほとんどで、違和感なく頭に入りました。
それでは具体的に触れていきます。厳し目な意見が多いことを謝罪します。
①《離脱ポイント》《流し読みポイント》はありましたか?
一度二話で離脱しました。理由としていくつかあります。
「主人公のキャラが立っていない」「物語全体の方向性が示されていない」「最序盤の掴みが存在せず起承転結の起が感じられない」
まず主人公ですが、一人称の利点として地の文のすべてが主人公の描写にできる、というものがあります。
ですが、主人公がどういった人物で、どういった人生を送っていて、どのような人格で、どのような性格で、なにを目標にしていて、そのために何をしているのか、という人物像がまったく見えてきませんでした。
もちろん地の文では説明されていますが、説明あるいは記号という形で完結しており、人物像にまでなっていないというのが素直な感想です。
実際には、終盤で主人公がどのような人物かが明記され、読者はそれに気付けるのですが
主人公自身が迷っていたとしても、迷っているという【起】を明記しておく必要があると思います。
彼はなぜ小説を書くのかを見失っているのですが、読者に答えを与える前からでも謎掛けとして描写しておくのも有りだと思います。
例えば、主人公に不可解な行動をさせたりして、読者に「さあ彼はどうしてこうなっているのでしょうか」と問いかけをすると、次を読みたいと思わせられるはずです。
物語の方向性、最序盤の掴みも同様に解決できます。
流し読みですが、残念ながら全話でしております。
申し上げにくいのですが、どうでもいい描写がとにかく多く、それらが物語に不要なものであることも多く、はっきり言って「せっかく読んだのに裏切られた」と感じることがほとんどでした。
例えば、部活のシーンでは運動部の音などが描写されるのですが、それらを聞いた主人公が物語にどのような変化を与えたのか、それが物語にどう作用していくのか。あるいは主人公の心境描写に使ったり、ヒロインに反応させてみたりと、物語に結びつけ、かつそれらが必要であるものならば描写してもいいと思います。
ですが、物語とは関係なく、本当に余談のような一コマであれば、むしろ書かない方がいいと思いました。
各話の冒頭に出てくる描写なども、パターン化してしまうと文章体が目に入れば「ああ、これは読み飛ばせるな」と察して流し読みになります。
②描写が薄い(説明が足りていない)箇所はありましたか?
全体的に描写が不足している印象です。
主人公のキャラが立っていないと書きましたが、キャラクターの描写が部分的にしかなくイメージが掴めません。
例えば、主人公が家の中を歩くだけでも、母親に対して警戒している様子はわかっても、では具体的にどのように動いたのかがわかりませんし、その動きに対してどのようなレスポンスがあるのかも書かれていないのでイメージに繋がりません。
一話の綾瀬も、孤高を感じさせる描写はされていますが、やはり具体的な描写がない、あるいは印象を語ることもないためイメージに繋がりません。
まだ綾瀬というキャラクターをあやふやにしておきたかったとしても、よくわからないキャラクターという描写をしてほしいと思いました。
これは歩き方、話し方、仕草など、色んな情報から人となりを感じさせたり、その印象を主人公に語らせる、あるいは勘違いさせてしまうなど、様々な方法がありますので試してみてください。
③キャラクターに魅力を感じましたか?
残念ながら、主人公と綾瀬からはあまり魅力を感じません。正しくは魅力を感じるほど彼らを知りません。前述の通り描写が足りず、彼らがどのような人間かわからないからです。
ですが、一人称でありながら主人公がわからない、というのは不可解ですよね。
そこで気になって何度か読み返しました。
地の文では、何かに対する彼のレスポンスはしっかりと書かれているのですが、彼がどういった人間かを表す描写が不足していることに気付きました。
物語のレールに沿って、何を見て聞いて、感じて、動いて、結果どうなって、感想があって。それはいいのですが、彼が何をしたいのか、何をしているのか、という情報が無いため伝わっていないのではないかと思います。
実際には、主人公はプロの小説家になるべく足掻いているとわかるのですが、それに気付けるまで読み進めなければなりません。
更に前述の通り、序盤で問いかけなどの読者を引きつける仕掛けがないので、ここに気付く前に離脱すると思います。
ここからは個人的な語りになりますので読み飛ばしていただいて構いません。
伊藤、南というキャラクターは妙にイメージが掴めます。人となりも見えてきます。舞台装置と言われていますが、セリフも妙に生々しさがあります。
主人公と綾瀬もこの二人を基準にして肉付けをすると読み応えがあると思います。
この物語の肝は創作は仕事か趣味か、というものですから、創作を一切知らない人間に語らせても面白いかも知れませんよね。
主人公はいつかプロになることを目指して自分の人生を歩んでいくのですが、だとしても小説を書こうと思った動機があるはずなので、それがどうしてプロを目指すことになったのかもあるといいですよね。
親には言えない、でも家出するほど書きたい、なのに従ってしまう。この揺れ動く優柔不断さを、ただの展開として流してしまうのはもったいないです。それぞれに、なぜそうなったのかを肉付けして物語にしてしまうと、より面白くなりそうですね。
そして、作中でも小説を読んだ人をどうしたいのか、という問いかけがありますが、やはりこの小説の読者をどのようにしたいのか、という原動力にあたる部分が明確になっていないので、もっと貪欲に読者を振り回していいと思います。厳しい現実を突きつけたいならそうすればいいですし、感動させたいなら一生分泣かせるつもりでぶちかましてほしいです。青春ものですし主人公の追体験をさせるなら、もっと地の文で共感を誘い感情移入させていいです。読者は振り回されたいんです。
最後に総評を、脚本として出来上がっています。ですがまだ小説ではなく脚本に近い内容ですので、ここから更に肉付けを行って商品価値を高めていくと、読んでよかったと思える内容に仕上がるのではないかと思います。
伊藤はもらっていきますね。
匿名2様
お読みいただきありがとうございました。
力のあるレビューで、大変読み応えがありました。
作者であることをしばし忘れ、素直にうなずいている自分がいました。
名のある書評家の方なのかなと思ったほどでした。
これも一つ一つが大きいので飲み込んで栄養にするまで時間はかかりそうですが、
無駄にはいたしません。
今後ともよろしくお願いいたします!
娘が嫁に行くときの気持ちが何となくわかりました。
伊藤、幸せになるんだぞ、と思いました。
もらっていただきありがとうございました!
返信ありがとうございます。
過去作で同様のテーマ、脚本を書かれていると知りましたので追記します。
この、凡人の主人公が足掻く、失敗する、現実を見る、というテーマははるか昔からたくさんの人間があらゆる媒体で作品化してきたものです。
おそらく今更書いたとしても真新しさはなく、同じテーマの有名作品を読んでいる者が多いため、最初から比較して読まれることがほとんどだと思います。
つまり新鮮な気持ちで読まれず、むしろデメリットにすらなってしまう、ということです。
このテーマを扱う場合、形を変えて悟られることなく展開し、読者の意表を突くことで「してやられた」と思わせる必要が出てくるはずです。
具体的には、有名どころで「耳をすませば」のように魅力的なキャラクターで強引に印象づけてしまうこと、そして劇中作品を実際に披露することで読者の関心を引くなど、やや実力を求められますが正攻法に近い方法もあります。
変化球としては、このテーマを一切読者には見せず、いきなり劇中作品だけを流します。中盤辺りから雲行きが怪しくなり、鋭い読者は劇中作品であると気付き、この作品の作者こそが主人公なのだと察し、隠されたメッセージを集めていくことで、ラストの種明かしとシナジー効果を産み、テーマに結びつくという、読者の頭の中で完成させる、といった具合の方法もあります。
これらは私の一例ですので、実際には作者様の自由ですが、このテーマは爽快感もなく、かといってメジャーかと言われるとドメジャーでありふれていて名作が多く存在する鬼門のようなものですから、最初に手を出すには困難なものかと思います。
また今作のメッセージになっている「すぐにプロになれなくてもいい」「小説は趣味で終わらせる道もある」「書籍化することが正解ではない」「一部の天才には敵わない」というものは、残念ながら一般的に負け犬の遠吠えに勘違いされてしまいます。したがって、ダイレクトにこのメッセージを仕込むのではなく、もっと前向きな印象に変えてからメッセージを置いてもいいと思います。
とにかく難しいテーマです。好んで読む者は舌が肥えている者ばかり。次の挑戦もお待ちしております。