新人賞とかに添付を要求される「あらすじ」について
新人賞とかに添付を要求される「あらすじ」について。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
本当に、いつまで経っても、説明しても、「オチを書かない」「あらすじ」を書く人が出てくるけど。
ぶっちゃけ、あれ、なんのためにつけろと言われてるか、理解してる人あんまりいないのでは?
(いや、私も推測でしかないんですが)

文章は書けば書くほど上達するといわれてる。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
なので、そこを見るよりも(むろん、文章力はあった方がいいけど)、ちゃんと『物語を書く』という事の本質がわかっているか、つまり自分の書いている物語の根本、構造、といったものを、自分でちゃんと理解しているか、というところが問題になってくる。
商業の現場で小説書いてお金もらう事を継続的に続けていくとなると、初稿を、あるいは企画を、編集者や世相の要請に合わせて調整・改造できるスキルがいるのだけれど、基本構造とかがわかってない人にはそれが難しい。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
商業作品の裏表紙とかにある「あらすじ」は、お客さんの購入意欲をあおるためのものなので、オチまで書いちゃうと台無しだが、新人賞とかに添付する「あらすじ」、いわゆる梗概は、全体を自分で作品を俯瞰して見られているか、作品を『支配』しているかの判断基準になる。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
あと、たまに「オチまで書くとパクられるかもしれない!」と警戒する人がいるけど、実際の原稿ではオチまで書いてるんでしょ? だったら選考側がパクる気があるなら、そっちからでもパクれるから、あらすじで伏せる意味はあんまりない。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
なんにしても新人賞というのは、字の通り、「今後、商業の現場で、編集者たちと組んで仕事をしてくれる新しい人材」を探し出し発掘するためのものなので、デビュー作で終わり、というのはほぼすべての編集部が想定してないです。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
となると、問題は、編集部と組んで立てる企画で原稿を書く二作目。
逆に言うと、こういう事を考えずに済むから、なろうとかのweb系の作品の書籍化は、編集部的には『楽』なんですよ。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
『次』も勝手に作家が書いて、ポイントあがってきたら書籍化の打診すりゃいいだけなので。
なので、あらすじをきちんと最後まで書ける、というのは、
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
「さんざん言われている、最後までオチを書くという『レギュレーション』に対応できる」ことの証、
と同時に
「自分の作品を理屈で理解し把握できているから、編集者と二人三脚で改善していけます」ということの証、
であり、
そのアピール。
なので、「あらすじなんて」とおろそかにしない、あるいは「あらすじってこういうもんでしょ」と勝手に判断してオチをはしょらない方が、新人賞では有利に働くことがほとんどですよ、というお話でした。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
みんなの反応
そういう側面は確実にあるんですが、それだけだったら『オチまで書いてくれ』という要請は出てこない筈でして(読み進める補助であるならオチは原稿で確認すれば良い)….
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 12, 2023
おっしゃる通りで。
— 榊一郎@漫画『聖戦勇戯』『仁科君の編集冒険記』(原作担当)連載中! (@ichiro_sakaki) January 10, 2023
ただ、選考側を「最初の読者」と考えちゃう人もいるみたいなんですよね、どうも……
私はこれを「幕を開ける法則」と呼んでいる。あらすじの最後に「今、幕を開ける――!」とか書いて説明を放棄してる作品は本編もだいたい面白くない。
— 佐々木鏡石@『じょっぱれアオモリの星』、12/28発売 (@Kyouseki_Sasaki) January 11, 2023
もうそういう大作オーラ出さなくていいからちゃんとあらすじで説明しろよって思うんですよね。なった気すんなと。 https://t.co/71viSxxOP4
そういう人は、自由国民社の『世界のSF文学・総解説』や『世界のオカルト文学 幻想文学・総解説』あたりを参考にすればいいと思う。あのシリーズは、どの作品もきちんと結末までのあらすじが要領よくまとめてあるから。
— カスガ (@kasuga391) January 12, 2023
明確に指示した話すら聞かない人に仕事を振るわけにはいかないですからね。作品の実内容が受賞に相応しい出来だと仮定しても、「じゃあその話を聞かない新人作家、どうしますか?」っていえばまともな依頼はできないわけで、新人賞でそんな人を頑張って探したくない、むしろどんどん落としたいでしょう
— 紙魚 (@silver_fishes) January 13, 2023
ちなみにこれ、ピッコマノベル大賞では「読者向けのあらすじを書いてください、オチまで書かないで」とかいう未だかつて見たことない応募要項になってたので、最終的には「応募要項はちゃんと読め」になる
— ジャジャ丸@ラノベ作家 (@R_jajamaru) January 11, 2023
いやほんと、ちゃんと読もう https://t.co/g4cb1V9Uks

> 逆に言うと、こういう事を考えずに済むから、なろうとかのweb系の作品の書籍化は、編集部的には『楽』なんですよ。
> 『次』も勝手に作家が書いて、ポイントあがってきたら書籍化の打診すりゃいいだけなので。
ホンマ楽々やね
ディスカッション
コメント一覧
ペンギンさん優秀や
100重くらいオブラートに包んだ、なろう編集への思い付く限りのお口わるわる言葉ブロックされて草
まぁ難しく思えるけど結局はエンタメを理解できるかで終わる話ではある
小説というのは創作ではあるが、読者にとってはエンタメでしかない
エンタメを楽しむには金と時間を支払う
なろうはこの2つの消費を極限まで抑えることで、どれだけ悪いものでもリスクなく読めるようにした
だから余計な描写はいらないし、最悪本文があらすじになっていても構わないということだな
で、いくらなんでもそれをそのままアニメ化されちゃあ困るだろってのが大多数のアンチの言い分
内容が薄いならせめて原作者を吊るしてアニメ用に中身書かせろと
ごぼうで引っ叩きゃ加筆くらい喜んでやるだろ
あらすじは地雷判断用の紹介文、実際はプラスして冒頭までの構成で実力を見るので、あらすじだけレギュレーションを守ったところで作家の本分を理解していなければ二次選考で落ちる
必要なものはシンプル
作品が生まれた理由、作品が提供する娯楽性
上記2つと矛盾せず相乗効果を持つ内容に出来るか
そしてそれらを把握し的確に提供できるか
理由と娯楽性は片方だけでもいい、しかし二行目は必須だが時間が解決する、三行目は編集もやるからなくてもなんとかなる
良い編集は三行目を求めない、これは編集が仕事をすれば済むからだ
あらすじはオチまで書くのか
長編の応募作品も最後のオチまで書くのかね
あらすじって書かずに、テーマ、ログライン、xxx字以内のプロットを出せって言えば質も上がるのでは