カバーデザイン=工藤強勝/発行所=偕成社
偕成社の『杜子春・くもの糸』には12の短編が収められており、この中で僕は『魔術』が最高傑作だと思っています。大変よくできた一枚の風刺画のようです。※以下、ネタバレを含みます。
カバーデザイン=工藤強勝/発行所=偕成社
偕成社の『杜子春・くもの糸』には12の短編が収められており、この中で僕は『魔術』が最高傑作だと思っています。大変よくできた一枚の風刺画のようです。※以下、ネタバレを含みます。
カバー写真=©David Sacks/Getty Images 発行所=新潮社
漫画『スラムダンク』の高頭監督が言っていたように、「奇策」というものは現実にはなかなか成功しないものです。風変わりな作戦が華麗に決まるのはフィクションの中の出来事で、実際には正攻法が一番強いものです。強いから正攻法だとも言えます。
装画=大竹伸朗「路上1」1990年/装幀=新潮社装幀室/発行所=新潮社
装幀=芦澤泰偉/発行所=朝日新聞出版
2016年に芥川賞を受賞した作品です。れっきとした文学作品なのに、ほとんどマンガみたいなスピードで読むことができます。一ページあたりの文字数が比較的少ないせいでもあるでしょうが、「視点が主人公に統一されていること」、「思考の明快さ」、「コンビニという誰もが知っている場所が舞台になっていること」、そして何より「面白さ」のためでしょう。
1937年発表、カリフォルニアの農場を転々とする労働者たちの物語です。ほとんどの男たちが一人で生きているのに対し、主人公のジョージとレニーはコンビで渡り歩いています。
この作品は学校の「課題図書」によく選ばれているみたいです。もちろん、若い想像力をかき立てるという意味では、素晴らしい作品です。しかし、作品に込められたメッセージについて、子供たちがどのように受け止めてほしいと、大人たちは考えているのでしょうか?
カバー装幀=平野甲賀/発行所=新潮社
装画・挿画=平田利之/装丁=坂川栄治+田中久子(坂川事務所)/発売元=集英社